『ブギウギ』「ラッパと娘」フルコーラスの意図をCPに聞く バンマス陰山泰の撮影秘話も
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。
第6週からは、梅丸楽劇団(UGD)を舞台にした東京編がスタート。第30話では音楽家・羽鳥善一(草彅剛)と二人三脚で行ってきた稽古を経て、ついに「ジャズとは何か」を掴んだスズ子が、旗揚げ公演で「ラッパと娘」を約3分にわたるフルコーラスで披露した。
制作統括の福岡利武は「“ステージの人”であるスズ子の舞台をしっかりと見せたい、視聴者の方にも舞台を観ている感覚に没頭していただきたい、と思っていたので、いいとこ取りしたダイジェスト的なステージでは納得できないなと。そういうドラマではないものを目指したかったので、できる限り長い時間、歌をそのままお届けしたいなと思っていました」とその狙いを説明する。
「とにかく『ラッパと娘』が面白い歌で、戦前の時代にこんなにファンキーでカッコいい曲があったのかと僕自身も驚きました。服部良一さんと笠置シヅ子さんがコンビでオンステージをやっていたことも本当に素敵だなと思いましたし、聴けば聴くほど奥が深くて楽しい曲なので、長く表現したいなと思いました」
一方で、「ステージの時間が長ければ長いほど、趣里さんの負担は大きくなる」とも。福岡は「1回で撮るわけではないので、非常にハードな撮影になりました」と語り、「最後にはおのずとやりきった顔になっていて、本当に素晴らしかったと思います」と、血の通った趣里のパフォーマンスを称賛した。
UGDのバンドマスターで、トランペット奏者の一井を演じるのは陰山泰。福岡は「僕は『ひよっこ』でご一緒して、そのときから音楽がお好きな方で、トランペットも吹かれることを知っていたんです。そうしたら昨年、NHKの特集ドラマ『アイドル』でまさにトランペット奏者のバンマス役をやられていて、演出の鈴木(航)も『アイドル』でご一緒したこともあり、僕も陰山さんのお芝居が大好きだったので、ぜひお願いできたらいいなとあらためて思いました」とキャスティング秘話を明かす。
だが、トランペットは顔の前で指を動かす楽器であり、どの角度から撮影してもごまかしがきかない。「本当にトランペットがうまくなければ難しい、ということを踏まえた上で陰山さんにご相談したら、『相当難しくて大変だから、やれるかどうかわからない。でも、挑戦してみたい』とおっしゃってくれて、長期にわたり練習に励んでくださいました」