草彅剛は朝ドラ『ブギウギ』にどんな風を吹かせる? スズ子と羽鳥の運命的な出会いに期待

『ブギウギ』草彅剛はどんな風を吹かせる?

 自身の出生の真相、大和(蒼井優)の死、さまざまな出来事を乗り越えて東京行きを決意したスズ子(趣里)。NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第5週では、香川から帰ってきてから3年が経ち、梅丸少女歌劇団(USK)を代表する女優になったが何か物足りない日々を送っていた。そんな彼女が東京支社からやってきた演出家の松永(新納慎也)と部長の辛島(安井順平)に実力を認められ、東京で新たに創設される梅丸楽学劇団(UGD)への移籍を提案される。東京に行くことを決めるも、スズ子が両親についての真実を知ってもう家に戻ってこないのではないかと不安に思ったツヤ(水川あさみ)から反対されるなど、なかなか簡単な判断ではなかった。それでも最終的にツヤから祝福され、スズ子は東京に向かう。

『ブギウギ』第23話梅丸劇場・舞台にて。舞台に立つスズ子。

 そこで出会う新しいキャラクターの中で最も注目すべきなのが、草彅剛演じる作曲家・羽鳥善一。モデルとされている服部良一の人生を考えると、これからスズ子と東京で出会い、彼女の才能に可能性を感じて曲を提供するコンビになる相手だ。第5週では一瞬、彼が列車の中で東京に向かう様子が描かれていた。相席する少年に、ジャズの良さを語りながら軽快な音楽を口ずさむ。あの一瞬だけでも、草彅がすでに羽鳥という役を“もの”にしていることがわかる。草彅はそういう俳優だ。

 記憶に新しいのは、6年ぶりの民放連続ドラマ主演となった「戦争シリーズ」第3弾『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)。「戦争シリーズ」は彼の幅広い代表作の一つであり、特に『罠の戦争』では家族と政界の間で揺れる主人公を、彼が抱く憤りを確かな演技力で体現していた。草彅といえばこれまでも役者として高く評価されてきた存在。彼の演技が素晴らしいことは、決して新たな発見でも知らせでもない。共演者はもちろん、彼の名演を観るるために数々の著名人が劇の講演に足を運んだり、出演作を観ていたりする。同グループのメンバー同士でもあった香取慎吾は彼を天才と発言し、紫綬褒章の受章歴がある俳優・市村正親は2015年3月13日放送の『テリー伊藤のフライデースクープ』(ニッポン放送)にて、すごいと思っている役者を聞かれて唯一、草彅の名前を出した。草彅を評価する俳優陣のエピソードは計り知れないほど存在しているのだ。

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草なぎ剛主演映画『ミッドナイトスワン』が9月25日より公開されている。『下衆の愛』『全裸監督』の内田英治監督がオリジナル脚本で手…

 特に顕著なのが、彼の役作りを褒め称えるもの。トランスジェンダーの女性を演じた映画『ミッドナイトスワン』では、第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をはじめ、数多くの賞にノミネート、受賞したことが記憶に新しい。同作の監督を務めた内田英治が主演のキャスティングにおいて本来、トランスジェンダー女性はトランスジェンダー女性が演じるべきという考えを理解し承知した上で、本作の題材に慣れていない日本の観客に対し、とにかく多くの人に観てほしいと考えた上で演技ができて広く認知されている俳優として草彅にオファーしたことを告白している。その経緯を踏まえてもプレッシャーの多い現場で、草彅が自身の役に真摯に向き合い、凪沙という美しい女性を演じ切ったことは作品を観ればわかることだ。

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