『進撃の巨人』人類最強の兵士・リヴァイは何を失ってきたのか 壮絶すぎる半生を振り返る

『進撃の巨人』リヴァイの壮絶すぎる半生

 実をいえばリヴァイは、生まれた時から過酷な境遇に置かれていた。地下街の娼婦・クシェルとその客の子どもとして生まれたが、幼少期の生活は困窮を極め、母は病で他界してしまう。その背景には、アッカーマン家に対する迫害も影響していた。

 そんな極限状態で出会ったのが、クシェルの兄である“切り裂きケニー”ことケニー・アッカーマン。しかし彼は自分たちの血族に関する情報を一切伝えず、暴力で世界を生き抜く術を教えた後、「人の親にはなれない」という理由から、リヴァイを置いて地下街から立ち去っていく。

 それから長い時が経ち、2人は再会を果たすものの、皮肉にも敵同士という関係性となっていた。ケニーが憲兵として、「始祖の巨人」の力をもつエレンの身柄を狙っていたからだ。熾烈な戦いの果てに、ロッド・レイスの巨人化に巻き込まれたケニーは瀕死状態に。そして命が燃え尽きる間際、自分を看取るリヴァイに対して、血族の真実を告げるのだった。

 人間同士の争いのなかで、“育ての親”を目の前で失ったリヴァイ。さらにその後には、彼にとって最大の盟友である調査兵団13代目団長、エルヴィンとの別れも待ち受けていた。

 ウォール・マリア奪還作戦にて、調査兵団はこれまでにないほど壊滅的な被害を受ける。そこでエルヴィンは、自分と新兵たちをオトリにすることで、「獣の巨人」を仕留めるという作戦を立案。結果として、その作戦に関わった兵士はほとんど全滅するが、エルヴィンは何の因果か瀕死で生き延びていた。

 「獣の巨人」たちを退けた後、リヴァイは大きな決断を迫られる。目の前に瀕死のエルヴィンとアルミンが横たわっており、人を巨人化させる薬によって、どちらか1人の命だけを救えるという状況だ。

 リヴァイは当初エルヴィンを蘇らせるつもりだったが、彼を“地獄”から解放するために、最終的にはアルミンに薬を打つことを選ぶ。そして他でもない自らの決断によって、エルヴィンと決別することになるのだった。

 さらにその後は全世界を巻き込んだ「地鳴らし」の進行とともに、もう1人の盟友・ハンジとの別れも生じている。『「進撃の巨人」The Final Season 完結編(後編)』で、物語は完結を迎える予定だが、人類最強の兵士は最後に何を手に入れるのだろうか……。壮絶な運命の辿り着く先を見守りたい。

■放送情報
『進撃の巨人』The Final Season完結編(後編)
NHK総合にて、11月4日(土)24:00より放送

『100カメ』×『アニメ進撃の巨人』完結編放送直前SP(生放送)
NHK総合にて、11月4日(土)18:05~18:34放送
出演:梶裕貴、石川由依、井上麻里奈

『100カメ』✕『アニメ進撃の巨人 最終話』
NHK総合にて、11月7日(火)23:00~23:29放送
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/100cam/ts/QP8MPNM1GL/

原作:諫山創(別冊少年マガジン『進撃の巨人』講談社)
監督:林祐一郎
シリーズ構成:瀬古浩司
キャスト:
エレン・イェーガー:梶裕貴、ミカサ・アッカーマン:石川由依、アルミン・アルレルト:井上麻里奈、コニー・スプリンガー:下野紘 、ヒストリア・レイス:三上枝織、ジャン・キルシュタイン:谷山紀章、アニ・レオンハート:嶋村侑、ライナー・ブラウン:細谷佳正、ハンジ・ゾエ:朴璐美、リヴァイ・アッカーマン:神谷浩史、ジーク・イェーガー:子安武人、ファルコ・グライス:花江夏樹、ガビ・ブラウン:佐倉綾音、ピーク・フィンガー:沼倉愛美
キャラクターデザイン:岸友洋
総作画監督:新沼大祐、秋田学
演出チーフ:宍戸淳
エフェクト作画監督:酒井智史、古俣太一
色彩設計:大西慈
美術監督:根本邦明
画面設計:淡輪雄介
3DCG監督:奥納基、池田昴
撮影監督:浅川茂輝
編集:吉武将人
音響監督:三間雅文
音楽:KOHTA YAMAMOTO、澤野弘之
音響効果:山谷尚人(サウンドボックス)
音響制作:テクノサウンド
アニメーションプロデューサー:川越恒
制作:MAPPA
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
公式サイト:https://shingeki.tv/final/
公式X(旧Twitter):@anime_shingeki

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