『いちばんすきな花』『silent』『初恋の悪魔』 J-POP演出がヒットドラマの法則に?
『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)でも、主人公・近藤麻美(安藤サクラ)の地元の同級生が成人式後の二次会でレミオロメンの「粉雪」を歌っていた。同曲のリリースは2006年で、1989年生まれの麻美たちは当時高校生。ただ文字として年齢や生年月日を見るよりも、J-POPの歌唱演出を挟むだけでその曲に青春時代を彩られた登場人物のリアリティが増すというものだ。なお、このドラマでは曲だけに限らず、シール交換やプロフィール帳、ゲームボーイアドバンスといった小道具で平成初期のムードを演出した。ここ数年は空前の平成レトロブームが巻き起こっており、ドラマで使われる曲に平成の懐メロが多いのもそのためではないだろうか。各局、平成初期に学生だったF1層(20~34歳の女性)の関心を引く狙いもあるはずだ。
『ブラッシュアップライフ』と視聴者を繋ぐ“平成J-POP” ノスタルジーをもたらす演出効果
今期、回を追うごとに話題を集め続けたテレビドラマといえば『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)だろう。来世で人間に生まれ変わ…
『エルピスー希望、あるいは災いー』(カンテレ・フジテレビ系)では主人公の浅川恵那(長澤まさみ)が、その相棒・岸本拓朗(眞栄田郷敦)と海援隊の「贈る言葉」をデュエットしたシーンも話題となった。長澤は『若者たち2014』(フジテレビ系)やアニメ映画『SING/シング』シリーズでも歌を披露しており、その歌唱力の高さは有名。そんな俳優陣の意外な一面が垣間見えるのもドラマにおける歌唱シーンの醍醐味である。驚くべきはここまで実例として挙げたドラマがすべて高い評価を得た作品であるということ。J-POPの歌唱演出が入ったドラマはヒットするという新たな法則が生まれそうだ。
■放送情報
木曜劇場『いちばんすきな花』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:多部未華子、松下洸平、神尾楓珠、今田美桜、齋藤飛鳥、一ノ瀬颯、白鳥玉季、黒川想矢、田辺桃子、泉澤祐希、臼田あさ美、仲野太賀ほか
脚本:生方美久
プロデュース:村瀬健
演出:髙野舞
音楽:得田真裕
主題歌:藤井風「花」(HEHN RECORDS / UNIVERSAL SIGMA)
制作・著作:フジテレビ
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