『家政夫のミタゾノ』松倉海斗登場で先輩・後輩共演が実現 ミタゾノ流“恋のアドバイス”も

『家政夫のミタゾノ』ミタゾノ流“恋の助言”

 ミタゾノさんは、依頼主やその家族に怪しさを感じたり、少し気に食わないことがあると「フン!」と鼻を鳴らすのだが、いかにも「悪役令嬢」の麗美がどんなに傍若無人な振る舞いをしても鼻を鳴らすことはなかった。分かりにくいが、ミタゾノさんは麗美に協力的であるらしい。ただ、美麗がお好み焼き屋で無銭飲食をしかけているところを盗撮したり、父親・雄一の脱税を暴いたりと麗美が自分の気持ちを周りに言えるように、外堀を埋めていったそのやり方は、相変わらずミタゾノ節が効いた荒療治であった。

 それでも幼い頃の啓介との思い出をなぞりながら、はじめての外食や乗れなかった自転車を練習する美麗の健気な姿は、とても愛らしいもので、キュンとしてしまった。初恋の力とは偉大なものである。これまで、本作では人の隠された悪意をあぶり出してきただけに、美麗の頑張りは余計に光ってみえた。

 ミタゾノさんは啓介が忘れていったタオルをテニスが趣味の美麗が持っていたテニスボールと一緒に洗った。こうすることで、洗濯機の中でテニスボールが汚れを叩いてより落としやすくするだけではなく、乾燥の際に、熱を均等に伝え、タオルをふわふわに乾かすことが出来るのだという。実は啓介も初恋の人である美麗のことを忘れられずにいたのだが、令嬢と魚屋の息子が釣り合うはずがないと悩んでいた。でも、このタオルとテニスボールのように組み合わせによってベストパートナーとなることもある。これは家事テクでありながらミタゾノさん流の恋のアドバイスなのである。ミタゾノさん独特の迫力も相まってなんだか説得力があり、思わず納得してしまった。

 余談だが、本作で出てきた「セカンドパートナー」や「受け子」というワードが連日、SNSやネットニュースを賑わせている。この点から、鋭い視点で社会を見つめ、各話の題材を決めていることが窺える。次はどんなテーマが物語となるのだろうと毎回楽しみになる。

■放送情報
『家政夫のミタゾノ』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00〜21:54放送
出演:松岡昌宏、伊野尾慧(Hey! Say! JUMP)、桜田ひより、しゅはまはるみ、平田敦子、余貴美子
脚本:八津弘幸ほか
演出:片山修、小松隆志ほか
音楽:ワンミュージック
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:秋山貴人(テレビ朝日)、石田菜穂子(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)、村山太郎(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日

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