『ブギウギ』傷心のスズ子に寄り添う六郎の姉弟愛 ツヤの「おかえり」が優しく包み込む
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』において、治郎丸家で女中をしていたキヌ(中越典子)がスズ子(趣里)の本当の母親であることが明らかとなった。
前回の放送で真実を知りたいという思いからか、スズ子はキヌに会いに行ってしまう。そこでキヌが治郎丸家から追い出され、実家からも拒絶されて途方に暮れていたところを、育ての親であるツヤ(水川あさみ)に助けられたという過去をスズ子は知る。キヌは菊三郎の形見である懐中時計をスズ子に手渡すが、放心状態のままキヌのもとを去るのだった。
スズ子がたどり着いたのはツヤとキヌと遊んでいる回想で映し出されていた川だった。そこではたくさんの子どもたちが川遊びをしていたが、スズ子は心に溜まった澱を吐き出すかのように、一直線に子どもたちのもとへ一心不乱に向かい水を掛け合う。表情は笑っているものの、その心は確かに傷ついていた。あれだけ天真爛漫で悩みを表情に出してこなかったスズ子もどうしていいのか分からない状況なのだろう。こういう時こそ寄り添ってくれる誰かが必要だ。
ツヤの実家へと戻ったスズ子をいち早く見つけたのが弟の六郎(黒崎煌代)だった。ずぶ濡れになったスズ子を見て心配する六郎に対し、何も答えないスズ子。「もし姉やんが帰ってこなかったらって思ったら、なんや妙な気分やった。手も足ものうなって、お腹にぽーんと穴が空いたみたいやったで」と六郎はスズ子に気持ちを伝えると、スズ子は涙を浮かべながら「抱きしめてくれ」と答える。「バラバラになんかせえへん」と力強く抱きしめる六郎。普段はマイペースでおっとりとした六郎だが、その純粋無垢な愛情がスズ子にとっては何よりも心強かった。