堀田真由が持つ力強さと儚さの“相反する魅力” 地上波連ドラ初主演『あな忘』に胸が高鳴る

堀田真由、力強さと儚さの“相反する魅力”

 今日が昨日とおなじこと。それが何よりも愛おしいーー。

 夢を失った女性と、記憶を失った男性が奏でるヒューマンラブストーリー『たとえあなたを忘れても』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が、いよいよ10月22日にスタートする。『ラブジェネレーション』(フジテレビ系)や『神様、もう少しだけ』(フジテレビ系)など、数々の話題作を世に送り出してきた浅野妙子が脚本を担当するこのドラマで、主演に抜擢されたのが堀田真由。堀田が演じる河野美璃は、ピアニストになる夢にやぶれ、東京から神戸に越してきた24歳。記憶障害を抱える青年・青木空(萩原利久)に、次第に惹かれていく役どころだ。

 堀田は、ミステリアスな雰囲気を醸すのがうまい。それをとくに感じたのが、2020年放送のドラマ『いとしのニーナ』(FOD)で、主人公を魅了していくヒロイン・青田新名を演じていた時のこと。新名は、思ったことをすぐに言葉にするくせに、心の奥では何を考えているのか分からない……という小悪魔なキャラクターだった。分からないからこそ、異性の“知りたい欲”をくすぐり、どんどん“沼”に落としていく。不思議な魅力をまとった新名を、自身の強みを活かして器用に演じていたのを覚えている。

 いわゆる“一軍女子”の役柄が増えたのは、この付近だろうか。2019年放送のドラマ『ブラック校則』(日本テレビ系)では、常にカースト上位に位置する三池ことねを好演。ことねは、周囲を優しく包み込む笑顔が印象的な堀田とは、対極に位置する役どころだった。しかし、「本当は、こういう子なの……?」と思わせるようなリアルな演技で、作品にエッセンスを加えるとともに、新たな強みを開拓していたのだ。

 また堀田は、同性から憧れられるようなファッショナブルな役柄もハマる。少女漫画に登場する“高嶺の花”的なキャラクターを実写化した時、「たしかに、この子には敵わない」と説得力をもたらすことができるのも、彼女の強みと言えるだろう。たとえるならば、『ライアー×ライアー』(2021年)の野口真樹や、『ハニーレモンソーダ』(2021年)の菅野芹奈。『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)では、全人類に愛されたいと思っているモテ女子・きゃぴ子の心の闇を、実に繊細に表現していた。

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