『ONE DAY』二宮和也の記憶の鍵を握る中村アン 同時進行する3つの物語と複数の謎

『ONE DAY』記憶の鍵を握る柚杏

 先週の第1話だけで一気に7時間近くのストーリーが運ばれた『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)。10月16日に放送された第2話では、12月24日の朝の7時半ごろから8時半過ぎごろまで、わずか1時間きりの進行に留まる。いわば未明の時間帯はエピローグであり、本格的な物語の始まりはクリスマスイブの朝からといったところであろう。おかげで3つの物語が同時進行していることがより顕著にあらわれることとなり、一つひとつのエピソードの密度は殊更に高まりを見せる。

 まずは「逃亡編」からたどっていこう。謎の女・柚杏(中村アン)と朝食を食べた誠司(二宮和也)は、自分が何者なのかを知るため、それを知っていると思しき蜜谷(江口洋介)に会うために警察署へと向かう。入口の前でごった返すマスコミに紛れるようにして署内へと入ることに成功した誠司は、そこで蜜谷と接触。しかし多くを聞き出す時間はなく、再び追われる身となることに。それでも誠司は、事件現場で目が覚めた時に掛かってきた電話の声が蜜谷であったことに気付く。そして蜜谷は、事件を追うカレン(松本若菜)に「勝呂寺誠司」という名前を教えるのである。

 一方、「レストラン編」と「地方テレビ局編」は、今回も査子(福本莉子)を通して繋がりを持つ。クリスマスディナーの営業を決めた「葵亭」では、時生(大沢たかお)が店内で見つけた拳銃(もとい、チャカ)をめぐり、鑑識作業にやってきた警察が帰り、山田(今井英二)という警察官だけが配備される。そこへ拳銃が発見されたと知ったマスコミがどっと押し寄せてくるのだが、桔梗(中谷美紀)からスクープ獲得を任された査子が張り切り、独占取材に漕ぎ着ける。ここで査子が撮影してきた映像を見た桔梗は、時生の姿に著しい反応を示す。誠司と学生時代に接点があった桔梗だが、時生との間には単なる知り合い以上の過去があるようにも見える。

 逃亡犯=誠司の顔を見て学生時代の写真を引っ張り出してきた桔梗は、早朝にもかかわらず大学時代の知人に片っ端から連絡を取り、彼の名前を聞き出そうと躍起になる。いまでこそ“記憶を失った逃亡犯”となった誠司だが、大学時代の彼は“やたら記憶力の良い”人物であったというのはなんとも皮肉なものだ。それを聞くと、誠司が本当に記憶を失っているのかさえもちょっぴり怪しく思えてくるのだが、さすがにそれは深読みしすぎか。いずれにしても、桔梗が手に入れた彼の名前は「天樹勇太」であって、「勝呂寺誠司」ではない。ここもまた、今後明らかになるミステリー要素の一つとなるのだろう。

 改めて第1話の冒頭シーンを見直してみると、それは2018年のクリスマスであり、大きなクリスマスツリーのすぐそばでそれぞれ誰かと向かい合う誠司、桔梗、時生の姿が描写されていた。いずれも相手方が誰なのかは映されないため、この3人のなかで1組成立する可能性も十分にある。こうした主人公たちの接点、もちろん蜜谷のねらいや、犬を探して歩く真礼(佐藤浩市)が何者か、終盤で柚杏が誠司越しにミズキ(中川大志)に視線を送っていた理由など、まだまだ見えてこないものは多すぎる。それでもまだ時刻は8時半。12月24日は始まったばかりだ。

■放送情報
『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:二宮和也、中谷美紀、大沢たかお、江口洋介、佐藤浩市
【逃亡編】中川大志、松本若菜、中村アン
【地方テレビ局編】福本莉子、小手伸也、加藤諒、大水洋介、丸山智己、梶原善
【レストラン編】桜井ユキ、井之脇海、今井英二、栗原英雄
脚本:徳永友一
企画・プロデュース:成河広明
演出:鈴木雅之
主題歌:ミイナ・オカベ「Flashback feat. Daichi Yamamoto」
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/oneday_christmas_ado/
公式X(旧Twitter):@oneday_xmas_ado
公式Instagram:@oneday_xmas_ado

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