『ゼイチョー』菊池風磨がついに“お仕事ドラマ”で主演に “バディ”山田杏奈との相性の良さ

『ゼイチョー』菊池風磨と山田杏奈のバディ

 「なべしま」に金目のものがあることを確信した饗庭は、不正に脱税しようとした現金の隠し場所を探り当て、そして“決め台詞”を言い放つ。

「公平公正。俺たちゼイチョーはどこまでも平等に税を徴税する。公務員ナメないでくださいね」

 日頃から“税金から給料をもらっている公務員に市民の苦労なんてわからないだろう”と辛辣な言葉を浴びせられることもあるものの、それでも饗庭がこの仕事を続ける理由がここにあるのだろう。そして、饗庭は百目鬼に「どんなに気を付けてても俺たちの言葉で追い込んでしまうこともある」と話していた通り、その危機感を常に抱いているからこそ、正義や正論を振りかざすのなんて簡単だけれども、そうではなくできるだけ中立で断言を避けるように相手と対峙しているのかもしれない。

 さらに、徴税吏員の仕事は“ただ徴税するだけ”に留まらない。意識を取り戻した泉の再出発についても、なんとしてでも彼が守り抜きたい亡き妻との思い出が詰まった庭のある自宅には住み続けられ、和菓子屋も続けられる形での方法をなんとか模索し提案する。泉のような滞納者の場合、“払っていない”という後ろめたさがある中で、それでも自分にとって絶対に手放したくないものへの想いに寄り添い、同じように大切にしてくれるという姿勢には本当に救われる思いがするだろう。

 百目鬼の「お金のために死を選ぶなんて馬鹿みたいです! 疲れてしまったならそう言ってください。苦しい時は“助けて”って言ってください。勝手に死ぬ方が迷惑です。私たちに仕事させてください。私たちはそのためにいるんです。簡単には死なせません。公務員、ナメないでください」も、自身の過去からもくる心からの言葉で胸に迫るものがあった。いつの間にか決め台詞までリンクする相性の良さで、既にバディ感が醸成されている饗庭と百目鬼。どうやらこの2人には副市長に新たに就任した相楽義実(本郷奏多)に対してもそれぞれ因縁がありそうだ。

 饗庭と相楽の財務省時代の元同期である奥林礼二(結木滉星)がなぜビルの屋上から飛び降りてしまうことになったのか、きっとそれこそが饗庭が徴税吏員に転身した理由に繋がっているのだろう。

■放送情報
『ゼイチョー 〜「払えない」にはワケがある〜』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、山田杏奈、本郷奏多、石田ひかり、石野真子、結木滉星、市川由衣
原作:慎結『ゼイチョー!〜納税課第三収納係〜』(『BE・LOVE』講談社)
脚本:三浦駿斗
演出:河合勇人、鯨岡弘識ほか
音楽:井筒昭雄、chakia
監修:野村修也
税務指導:堀博晴
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:大倉寛子、岩崎秀紀、金澤麻樹
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/zeicho/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/zeicho_drama
公式Instagram:https://www.instagram.com/zeicho_drama/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる