『ブギウギ』趣里の歌声と笑顔が日本を元気に “ズキズキワクワク”な朝ドラの幕開け
鈴子が歌劇団という“自分で生きる道”を志すシーンは、後の大スターとなる片鱗が垣間見える第1週の大きな見どころと言える。「義理と人情」の考え方と「人は自分がこれや、って思うことで生きていくんのがええ」という指針となる言葉をくれる母のツヤ(水川あさみ)、ピュアで家族愛に溢れた梅吉(柳葉敏郎)、無邪気な弟・六郎(又野暁仁)、記憶をなくしているゴンベエ(宇野祥平)と銭湯「はな湯」を経営する花田家はいつも賑やか。アホのおっちゃん(岡部たかし)、熱々先生(妹尾和夫)とその役名だけでも、鈴子を取り巻くキャラクターが個性豊かであることが分かるだろう。
先述した羽鳥善一のモデルとなった、昭和を代表する作曲家・服部良一の孫である服部隆之が主題歌と音楽を担当していることも特筆すべき点だ。朝ドラの記者会見に音楽担当が登壇するのは極めて珍しく、それほどまでに重きを置いているということでもある。主題歌の「ハッピー☆ブギ」には「中納良恵 さかいゆう 趣里」名義で、趣里もボーカルに参加しており、目の覚めるようなブギで視聴者の朝に活力を与えてくれる。
『ブギウギ』趣里、異例の主題歌参加の理由が明らかに “父”柳葉敏郎は『紅白』を意識
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一方で、福来スズ子の人生には多くの苦難が待ち受けている。大切な人とのある出来事や戦争――それでも、スズ子は最高のエンターテインメントショーでファンに笑顔を届けていく。『ブギウギ』のタイトルロゴは、「東京ブギウギ」の歌詞にある〈ズキズキワクワク〉を表したデザイン。そんな光と影、揺れ動くスズ子の心情が『ブギウギ』の最大の見どころになっていくのではないかと感じている。
■放送情報
2023年度後期連続テレビ小説『ブギウギ』
NHK総合にて、10月2日(月)より放送開始
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK