趣里、“2世女優”のレッテルを跳ね返した表現力 朝ドラ『ブギウギ』では歌声と踊りに注目

趣里、『ブギウギ』では歌声と踊りに注目

 2023年度後期の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK総合)のヒロインが趣里に決定。大阪放送局制作の朝ドラでは、『カムカムエヴリバディ』と『舞いあがれ!』に続き3年連続でヒロインがオーディションによって選出され、今回は2471人の応募の中から趣里が選ばれた。自身4度目の挑戦でヒロインの座を勝ち取った趣里に、SNSでは多数のお祝いコメントが寄せられている。

 その中で、印象に残ったのは「水谷豊と伊藤蘭の娘なの?」という驚きの声だ。趣里のデビュー作は2011年に放送された『3年B組金八先生ファイナル』(TBS系)。当時は水谷と伊藤の娘が俳優デビューを果たすというニュースが大々的に報じられたため、覚えている人も多いのではないだろうか。たくさんの人が注目する中、趣里は武田鉄矢演じる金八先生に恋する生徒を好演。定年間近でも変わらず生徒と全力で向き合う金八に抱く、憧れ入り混じる純粋な恋心を表現した。物怖じせず、役に体当たりで挑む姿勢が印象に残っている。

 10月17日に行われたヒロイン発表会見で本人が語っているように、趣里はかつてバレエダンサーを志していた。主演を務めた映画『おとぎ話みたい』の主題歌「COSMOS」(おとぎ話)のPVでは、人目を気にせずに路上でダンスを踊る彼女の姿が映し出されている。踊りとしての完成度はもちろん、映像の中で移りゆく少女の心情を雄弁に物語るノンバーバル表現の豊かさに驚かされた。

おとぎ話 "COSMOS" (Official Music Video)

 クラシックバレエで培われた力は芝居の中でも大いに活かされている。『ブラックペアン』(TBS系)での天才外科医を支える凄腕の看護師も、『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)での4歳の息子を育てるパラリーガルも、それほど言葉数が多いわけではない。しかし、いずれもあえて押し黙っているかのようなミステリアスな雰囲気が漂い、観る者の好奇心を駆り立てた。

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