『ブギウギ』趣里、異例の主題歌参加の理由が明らかに “父”柳葉敏郎は『紅白』を意識
NHK連続テレビ小説第109作『ブギウギ』の記者会見が9月8日にNHK放送センターにて開催され、主演の趣里をはじめ、柳葉敏郎、澤井梨丘、脚本の足立紳、音楽の服部隆之が登壇し、制作統括の福岡利武氏、プロデューサーの橋爪國臣氏が会見に参加した。
10月2日よりオンエアとなる本作は、戦後の大スター笠置シヅ子をモデルとしたオリジナルストーリー。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに、ヒロイン・花田鈴子(趣里)が日本の朝にあふれる笑顔を届けていく。
第1週「ワテ、歌うで!」の記者試写会が行われた後に、会見が開かれた。脚本の足立はモデルとなっている笠置シヅ子の魅力について、「人生において、厳しい局面が相当あって、大切な人をどんどん失っていかれてしまうんですが、根底にはずっとユーモア、ある種の明るさのようなものが流れていて、そういったエネルギーが描けるといいなと思いました」とコメント。それにヒロインを演じる趣里も、「エネルギーと明るさは、今の自分にとっても大切なことで、それでも前を向いて明るく生きていく、人生は楽しいっていう、ことを音楽を通して教えてくれる気がしています」と鈴子としての思いを語った。
第1週は大正15年、大阪市福島より鈴子の物語がスタート。梅丸少女歌劇団で初舞台を踏むまでの少女時代を澤井梨丘が演じ、第2週のラスト(金曜日放送)にて趣里へとバトンタッチ。第5週までは「大阪編」として描かれる。同じ鈴子を演じる趣里と澤井はそこまで2人で話したことはないというが、趣里は先に現場に入っていた澤井の笑い方を目にし、「お歌も上手で素晴らしい声をしているので、私もレッスンを頑張ろうと思って、力をもらっていました」と振り返る。現在、趣里は30歳ぐらいの鈴子を撮影の中で演じているという。「鈴子の周りではいろんなことが起きて、楽しいだけじゃないシーンもたくさんあって、撮影を通して鈴子が大人になっていっている感覚はあります」と鈴子としての成長を実感しているようだった。
柳葉敏郎は鈴子の父・花田梅吉を演じている。この日は出席はなかったが、母親の花田ツヤを演じる水川あさみが家族を引っ張っていてくれたようで、梅吉として自称“ダメ親父”の柳葉は「お母ちゃん!」と叫ぶ場面も。けれど、緊張した様子の澤井や趣里をしっかり先導し、同時に和ませるなど、会見中には優しい父親としての姿も多く見られた。柳葉が朝ドラに出演するのは『都の風』以来、約36年ぶりとなる。「まぁ、これでまた少し仕事が増えるかなと、もう本当に喜びました」と冗談を挟みつつ、「キツかった! そのキツさがあるからこそ、皆さんに楽しんでもらえるのかなと思えるようになりました」と本音を吐露し中でも大阪弁に葛藤していたようだ。