広がり続ける『ジョン・ウィック』ワールド シリーズ4作目にして異例の伸び率を記録

広がり続ける『ジョン・ウィック』ワールド

 9月4週目の動員ランキングは、週末3日間で動員37万2000人、興収5億2100万円をあげた『ミステリと言う勿れ』が2週連続で1位。公開から10日間の累計で動員149万2000人、興収20億4200万円を記録している。現時点で2023年の実写日本映画の興収トップは『キングダム 運命の炎』の興収53億8000万円(公開から59日間)。その数字にどこまで迫ることができるか?

 初登場作品で最上位につけたのは、2位のチャド・スタエルスキ監督&キアヌ・リーブス主演のシリーズ4作目『ジョン・ウィック:コンセクエンス』。初日から3日間で動員18万9000人、興収3億200万円をあげた。これは、2019年10月に公開された前作『ジョン・ウィック:パラベラム』のオープニング成績との興収比で167%という見事な数字。日本の外国映画興行では、前作からよほど期間が開かない限り、シリーズの認知度アップに従ってシリーズ作品の興収が伸びていく傾向が北米よりも強いが、この4年間で『ジョン・ウィック』もその法則にうまくハマったのだろう。

 日本ほどの急激な伸び率ではないにせよ、現時点で既にシリーズ最高記録となる4億2800万ドルの世界興収(※)をあげている『ジョン・ウィック:コンセクエンス』。実は、ロシア・ウクライナ戦争勃発以降、ほとんどのハリウッド映画の公開が止まっていたロシアでも北米とほぼ同時に公開される(戦争が始まる前に独自の契約が結ばれていたのが理由だという)など、シリーズを追うごとに世界興行における北米マーケット以外の比率が上がっている。今回の日本での好成績も、それに拍車をかけることになるわけだ。

 人気ゲーム『フォートナイト』とのコラボも大いに話題となった『ジョン・ウィック』だが、9月22日にはシリーズの前日譚を描いた全3話のテレビシリーズ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』の世界配信がスタート(日本ではPrime Videoで独占配信)。来年には、シリーズ3作目の『ジョン・ウィック:パラベラム』に登場した暗殺者バレリーナを主人公とするスピンオフ映画『Ballerina(原題)』の公開も予定されている。『ジョン・ウィック:パラベラム』ではニューヨーク・シティ・バレエ団所属、つまり本物のバレリーナのユニティー・フェランが演じていた役だったが、スピンオフ映画ではこのところアクション映画づいているアナ・デ・アルマスが主役を演じ、キアヌ・リーブスが出演することも決まっている。

参照

※ https://www.boxofficemojo.com/title/tt10366206/?ref_=bo_se_r_2

■公開情報
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
全国公開中
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーブス、ドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、ローレンス・フィッシュバーン、真田広之、リナ・サワヤマほか
配給:ポニーキャニオン
2023年/アメリカ/原題:John Wick: Chapter 4
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『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/

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