『パリピ孔明』向井理の“ハマり具合”に納得 アヴちゃんらによる圧巻のパフォーマンスも

『パリピ孔明』向井理の“ハマり具合”に納得

 前述のアーティストとは対照的に、シンガー“EIKO”こと、英子が披露する爽やかな楽曲たちは、演じる上白石萌歌の瑞々しい歌声を引き立てる。自身も“adieu”の名義で音楽活動を行う上白石。歌唱力の観点からも英子役に選ばれたのは納得だが、演技の面でも彼女の持つリアクターとしての魅力は功を奏している。原作やアニメよりも英子は淡白なキャラクターとして描かれているが、現代人の目から見ると不可解な孔明の言動に対する自然でいて新鮮なリアクションが絶妙だ。孔明との軽快なやりとりも見どころで、彼女のツッコミにより本来は計略や戦術に長けた天才軍師であるはずの孔明が不思議とポンコツキャラに見えて微笑ましく思える。

パリピ孔明

 本人は二枚目でありながら、クセの強い役柄をこなしてきた向井のコミカルな演技も魅力。それでいて天才軍師らしさは損なわれず、その佇まいや身のこなしで孔明の威厳や器の大きさが感じられる。また、BBラウンジで働き始めた孔明が客にお酒を提供する場面では元バーテンダーである向井の洗練された所作を拝むことができた。他にも劉備を演じるディーン・フジオカの中国語など、俳優自身が持つ“技”を活かしたキャスティングに膝を打つ本作。作中でも指摘されていたように、馬謖の件に関しては少々当てが外れたところもあるが、適材適所の配置で人を活かしてきた孔明の生き様にも重なる。これから彼がどんな戦術で英子を人気シンガーへと押し上げるのか。現代のビジネスシーンにも役立ちそうな音楽青春コメディーに注目だ。

■放送情報
『パリピ孔明』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:向井理、上白石萌歌、菅原小春、宮世琉弥、八木莉可子、森崎ウィン、関口メンディー、アヴちゃん(女王蜂)、ELLY(三代目J SOUL BROTHERS)、ディーン・フジオカ、森山未來ほか
原作:『パリピ孔明』四葉夕ト(原作)、小川亮(漫画)(講談社『ヤングマガジン』連載)
脚本:根本ノンジ
企画:髙木由佳(フジテレビ)
プロデューサー:八尾香澄
演出:渋江修平ほか
制作協力:C&Iエンタテインメント
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/paripikoumei/
公式X(旧Twitter):@paripikoumei_cx
公式Instagram:@paripikoumei_cx
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@paripikoumei_cx

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