『らんまん』浜辺美波だからこそ成立した寿恵子の“噺” 待合茶屋「やまもも」が開業

『らんまん』“人”を愛する寿恵子の力

 渋谷は溢れ者の吹き溜まり、だからこそ誰のことも受け入れられる懐の深い土地。この町でならやり直せる――この町は、きっと唯一無二の町になると。それは寿恵子が渋谷という町を観察し、帳面に書き留めた「渋谷ニ居ル者、来ル者 皆笑フ」という思いが元になった考えだった。寿恵子の“妄想”を聞いて、渋谷の未来を想像する佐藤たち。金王八幡宮の例大祭に町中で神輿を出すという寿恵子の妄想は、現在まで数百年以上続く伝統的な行事にも重なる。渋谷最大の祭りとして、今年も9月16日、17日に開催され、4年ぶりに神輿渡御が復活するようだ。

 寿恵子は渋谷が、万太郎にとっての横倉山になるまで徹底的に歩き、観察した。自ら描いた渋谷の地図を広げ、万太郎に言った「私、この町が好きになりました」。どこか『魔女の宅急便』のラストにキキが言う「落ち込んだりもするけれど、私、この街が好きです」を彷彿とさせる。ただ、そこに共通しているのは町への愛着。万太郎が植物を愛するように、寿恵子は町、さらにはそこにある暮らし、人々を好きになったということになる。

 寿恵子は渋谷に待合茶屋「やまもも」を開業。彼女の新しい冒険の始まりだ。

参照

※ http://shibuyamatsuri.com/

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】 
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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