『ゴールデンカムイ』実写版成功へのポイント 『HiGH&LOW』久保茂昭監督だから安心?
一方、俳優陣だが、主人公の杉元を演じる山﨑賢人は、前述した『キングダム』を筆頭とする多くの漫画原作映画で主演を務めており、ジャンプ系以外ではNetflixで配信されたドラマシリーズ『今際の国のアリス』シリーズの主人公・有栖良平役が印象に残っている。
アクションも可能な若手人気俳優として、彼がここまで積み重ねてきた実績を考えると納得のキャスティングである。漫画の杉元のビジュアルと比べると、体が小さくベビーフェイスなことは気になるが、おそらく『ゴールデンカムイ』は『キングダム』のような長期シリーズ化を目的としたプロジェクトだと思われるため、シリーズを通して、年齢を重ねて大人の男に変わっていく山﨑の成長を見せることも、一つの目的なのかもしれない。
一方、アシリパを演じる山田杏奈は、年齢こそ22歳だが、童顔で小柄に見えるため、納得のキャスティングだ。10代の頃は『ミスミソウ』や『ジオラマボーイ・パノラマガール』といった映画で、繊細な内面を抱えた少女を演じる機会が多かった山田だが、今年公開された『山女』では18世紀後半の農村で、理不尽な運命に立ち向かう女性を力強く演じ、新境地を開拓。この作品の後で『ゴールデンカムイ』のアシリパを演じるという流れは、納得できるものがある。おそらく彼女のキャリアにとって、とても重要な役となるのではないかと思う。
杉元とアシリパの配役に関しては賛否が割れているが、他の配役に関しては漫画のビジュアルに大きく寄せていることもあってか、SNSの反応はおおむね好評だ。中でも敵役となる土方歳三を演じる舘ひろしと鶴見中尉を演じる玉木宏のビジュアルはぴったりだと、絶賛されている。
原作漫画自体が、奇人変人を楽しむバラエティーショー的な側面があるため、脇役を演じる俳優たちの怪演に注目が集まるのは当然の流れだと言える。しかし、だからこそ作品の屋台骨を支える山﨑と山田には、2人だからできる杉元とアシリパを演じきってほしいと期待している。
※アシリパの「リ」は小文字が正式表記。
■公開情報
『ゴールデンカムイ』
2024年1月19日(金)全国公開
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし
原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
アイヌ監修:中川裕、秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝
©2024 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
©野田サトル/集英社 ©2024 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
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