『トリリオンゲーム』ハッタリと中身の両輪を備えた友情パワー 國村隼が見せた怪しい動き
とはいえ「釣り餌」なんて言われて面白く思う人はいない。本気で仕事に取り組んでいればなおさらだ。でも、「まずい釣り餌に食いつく魚はいねえ、釣り餌だからこそ中身もちゃんと作る」「ゲスだからこそちゃんと作るんです」と言われたらどうだろう。世界一の釣り餌になってやろうじゃないか、なんてモチベーションまでアップしてしまうから不思議だ。そして「うちでも最近“ダミーでいい”っつってんのに、すげえゲーム作った連中がいて」と笑うハル。「ハッタリと中身、両輪が揃えば一気に爆発する」と手応えを感じながら語る姿に、ソーシャルゲーム事業で実感したのだろうと予想する。ハルと功刀で金と数字を作り、ガクと凜々、アナウンサーのあかり(百田夏菜子)で中身を作る。そう考えられるようになったのも、きっとガクと過ごしてきた日々があったからではないか。
それにしても、スポンサーであるスマホ会社・社長を相手に、ハッタリをかますハルのシーンは手に汗握るものがあった。通常であればスポンサーに対して、あんなに強気に出ることなどできないはず。それが「大人の事情」としてまかり通っている世の中だ。しかし、何度も言うがハルが目指しているのはトリリオンダラー。スポンサー会社に迎合しているようでは、その規模を超えて世界有数の企業になんていつまでたってもなれるわけがないのだ。
どれだけヒヤヒヤする橋も、明確に目的地を見据えていれば勇気を持って渡ることができる。ときには、情報提供者に大金を払うなどドラゴンバンクさながらの“マネーイズパワー”も厭わない。そうして、ここまで順調に歩みを進めてきた。だが、金を積んで得られたものは、さらに金で買い取られる可能性があるということ。いよいよ桐姫が資本力を見せつけてくるようだ。また水面下では黒龍(國村隼)が祁答院(吉川晃司)に近づく動きも……。
「捨て駒」「釣り餌」なんて言いながらも、ここまでは誰も裏切り者が出ていないトリリオンゲーム社。できることなら、このままハッタリと中身の両輪を備えた友情パワーで、金の力に勝るところを見てみたいものだ。
■放送情報
金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:目黒蓮(Snow Man)、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、竹財輝之助、あかせあかり、國村隼、吉川晃司、百田夏菜子、津田健次郎
原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』(小学館『ビッグコミックスペリオール』連載)
脚本:羽原大介
演出:村尾嘉昭、竹村謙太郎、田中健太
プロデューサー:松本明子、松下ひろみ、加藤章一
主題歌:Snow Man「Dangerholic」(MENT RECORDING)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS/撮影:高橋裕子
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/trilliongame_tbs/
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