ウィル&エリザベスも再登場 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』で描かれる愛

『最後の海賊』で描かれる愛

 さらに、本シリーズは全体として愛の物語が軸となっていた。前半3部作は、ウィルとフライング・ダッチマン号に捕らえられた彼の父親のストーリーが主な軸となり展開される。そして前作『生命の泉』ではアンジェリカと父親である黒ひげの気持ちのすれ違いが描かれていた。

 『最後の海賊』では、魔女と呼ばれ処刑されかけていた天文学者・カリーナ(カヤ・スコデラリオ)が登場。彼女は出生の秘密を抱えており、父親が自分と一緒に残した手帳を元に星の研究を続けていた。この父親との関係が、物語の結末に大きく関係することになる。また、ヘンリーが父親のためにこれだけの大冒険に挑むのも、相当な愛と覚悟が必要だっただろう。幼いころから勉強し、海の伝説も馬鹿にしない、純粋な心があったからこその物語だ。

 ジャックの家族についてはあまり詳細に描かれることはないが、危機的状況の時にキース・リチャーズ演じる父親が現れたり、『最後の海賊』ではポール・マッカートニーがアンクル・ジャックとして登場したり、役者だけを見ると実は音楽一家なのかもしれない……とも思わせる。楽観的な性格は家族譲りのようで、お互い干渉しすぎないけれど、愛を感じる関係性でもあるのだ。

 前作で黒ひげによって瓶に閉じ込められていたブラックパール号は、本作で再び存在感を放つ。カリブ海で一番早い船で、ジャックとともに数々の壮大な冒険を乗り越えてきた。きっとこれからもジャックと、優秀な船員たちと一緒に航海し続けることだろう。

■放送情報
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』
日本テレビ系にて、8月18日(金)21:00~23:09放送
※放送枠15分拡大 ※地上波初放送
監督:ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
脚本:ジェフ・ナサンソン
ストーリー:ジェフ・ナサンソン, テリー・ロッシオ
キャラクター原案:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ、スチュワート・ビーティー、 ジェイ・ウォルパート
原案:ディズニー『カリブの海賊たち』
製作:ジェリー・ブラッカイマー(p.g.a.)
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オーマン、ジョー・カラッシオロ・ジュニア、テリー・ロッシオ、ブリガム・テイラー
撮影監督:ポール・キャメロン(ASC)
プロダクション・デザイン:ナイジェル・フェルプス
編集:ロジャー・バートン、リー・フォルサム・ボイド
衣裳:ペニー・ローズ
音楽:ジェフ・ザネリ
出演:ジョニー・デップ、カヤ・スコデラリオ、ブレントン・スウェイツ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ、ハビエル・バルデム、ケヴィン・R・マクナリー、デヴィッド・ウェンハム、アンガス・バーネット、スティーヴン・グレアム、ジャイルズ・ニュー、ポール・マッカートニー、ゴルシフテ・ファラハニ
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