『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』放送前に前3作をおさらい 根底にある家族愛

『パイレーツ~』前3作をおさらい!

 8月11日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(2011年)が放送される。そして翌週18日には、同シリーズ5作目『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2017年)が地上波初放送となる。

 全5作ある大人気シリーズのなかで、なぜ突然4作目から放送されるのか不思議に思うかもしれないが、これには納得できる理由がある。1作目『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)から3作目『ワールド・エンド』(2007年)までは、3部作としてひとつながりの物語となっているのだ。当初シリーズ化の予定がなかった1作目はともかく、2作目『デッドマンズ・チェスト』(2006年)と3作目は、物語として切っても切れない関連がある。しかし4作目と5作目は、主人公のジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)をはじめとする数名の人気キャラクターがひきつづき登場し、ゆるやかなつながりはありつつも、それぞれ独立した物語となっている。4作目からシリーズを見始めるというのも、本シリーズを楽しむ1つのやり方として納得できる。そこで本稿では、前3作のおさらいと4作目、5作目の見どころを紹介していきたい

 ジョニー・デップが伝説の海賊ジャック・スパロウを演じ、大ヒットとなった『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』。後にジャックを主人公にシリーズ化された本作だが、実は彼は当初脇役の予定だった。しかしそのアイコニックな出で立ちと、デップのコミカルかつクールな演技で大人気キャラクターとなり、『パイレーツ』シリーズといえばジャック・スパロウというイメージが定着した。

 1作目から3作目までは、ジャックと鍛冶屋のウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)、そしてイギリス帝国ポート・ロイヤル総督の娘エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)の3人を中心にしたドキドキワクワクのスリリングな冒険が繰り広げられる。誠実で正義感にあふれるウィルと、勝ち気で肝の座ったエリザベスは、幼なじみで互いに長年想いを寄せ合いながらも、身分の違いから一緒になることはできないと考えていた。しかし1作目で冒険をともにした2人は、気持ちを確かめ合い、エリザベスの父や婚約者の了承を得て婚約する。彼らのロマンスも、3部作を通した見どころの1つだ。

 2作目でウィルは、父ビル(ステラン・スカルスガルド)が海賊であったことを知り、再会を果たした。『ワールド・エンド』でヘクター・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)の船長権限によって船の上でエリザベスと結婚したが、ビルを救うため幽霊船フライング・ダッチマン号の船長となった彼は、10年に1度しか陸に上がれない呪いをかけられてしまった。その関係で2人は4作目には登場していないが、5作目『最後の海賊』では彼らの息子ヘンリー(ブレントン・スウェイツ)がメインキャラクターとなったため、ともにカメオ出演を果たしている。

 人気キャラクターのなかで、ジャック以外にシリーズ全作を通して登場しているのは、ジャックと常に船長の座を争っているバルボッサだ。1作目でジャックに殺された彼は、2作目で預言者ティア・ダルマ(ナオミ・ハリス)によって復活し、つづく3作目にかけてウィルたちとともにクラーケンに襲われたジャックを救いに行くことになる。しかし4作目『生命の泉』では国王ジョージ2世に忠誠を誓い、サーの称号を持った「公賊」としてジャックの前に立ちはだかる。5作目『最後の海賊』では、彼に関する新たな事実も明かされるので、そちらにも注目だ。

 4作目『生命の泉』で注目のキャラクターといえば、やはりペネロペ・クルス扮する女海賊アンジェリカだろう。彼女はアン女王の復讐号の船長である黒ひげ(イアン・マクシェーン)の娘であり、ジャックのかつての恋人。余命わずかな父を救うためジャックを脅し、生命の泉まで案内させる彼女は、屈強な海賊たちと互角以上に渡り合うパワフルな女性である一方で、父親思いの優しい娘でもある。

 5作目でキーパーソンとなる天文学者のカリーナ・スミス(カヤ・スコデラリオ)は、生き別れになった父から受け継いだ「ガリレオ・ガリレイの日記」に秘められた謎を解くため、父をフライング・ダッチマン号から解放しようとするヘンリー、そして自らの命を狙う亡霊から逃げようとするジャックとともに「ポセイドンの槍」を探す。賢く勇敢な彼女には、エリザベスとはまた違った強さや魅力がある。

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