六平直政、『らんまん』では“活を入れる”存在に? 場の空気を瞬時に変える演技力に圧倒
新展開が相次ぐ朝ドラ『らんまん』(NHK総合)に、六平直政が登場。おそらく誰もがご存知の、あのコワモテのバイプレーヤーである。いや、バイプレーヤーという言葉では足りない。映画、演劇、テレビドラマにと、出演する作品のジャンルも演じるキャラクターのタイプも多彩な彼は、“名バイプレイヤー”と呼ぶに相応しい存在だろう。果たして『らんまん』ではどのような役割を担うのか。
本作で六平が演じるのは、借金取りの磯部という男。植物学者としての道を歩む主人公・万太郎(神木隆之介)は、東京大学植物学教室への出入りを禁じられ、頼みの綱であった実家の「峰屋」も失い、まさに孤軍奮闘しているところ。研究費で借金が膨らんでいたのだ。
いや、“孤軍(=たった一人)”ではないことが、この磯部の登場によってより強調されることになるのだろう。十徳長屋にやってきた磯部を相手に、万太郎の最愛のパートナーである寿恵子(浜辺美波)が立ち向かい、夫の研究について熱弁を繰り広げるというのだから。これに対して磯部という男がどう出るのかによって、さらなる新展開を生むことにもなるのだろう。
さて、そんな重要な役どころを務めることになりそうな六平直政。彼の代表作は観客/視聴者ごとにそれぞれ違うだろう。刑事ものや任侠ものには欠かせない俳優だが、医療ものに学園もの、時代劇、ホラー、特撮もの、史実を基にしたフィクション、それから『20世紀少年』シリーズ(2008年〜2009年)や『キングダム』(2019年)といった大人気マンガを原作とした超大作のヒットにも貢献。映画ファン的には『BROTHER』(2001年)、『座頭市』(2003年)、『TAKESHIS'』(2005年)、『監督・ばんざい!』(2007年)、『アキレスと亀』(2008年)と、北野武映画の常連俳優だという印象も非常に強いのではないだろうか。待望の新作『首』(2023年)にも出演しているとのことであり、公開が待ちきれない。