『トリリオンゲーム』目黒蓮のゾッとするような冷たい目 絶望的な表情を浮かべる佐野勇斗
それは、ハルから「世界の堀本なんて実在しない」と真実を告げられたから。ドラゴンバンクがドラ娘の開発者の情報を秘密にしていることを逆手にとり、世界の堀本という架空の人物をでっち上げたという。SNSの書き込みも、ネットニュースも、パーティー会場にやってきた人物もすべてハルの創り上げたフェイクだ。ガクは「世界の堀本とゲームが作れる」と歓喜している桜たちを騙したのかと問うも、「きっちり給料は払うし、最後に金の帳尻を合わせて得をさせれば、誰も文句はないだろう」と、ちっとも悪びれないハル。
「二度と同じ負けは喰らわねぇ。どんな悪い手を使ってでもな」そう言いながらガクを見つめるハルの眼差しの冷たさに言葉を失ったのは、ガクだけではないだろう。ハッタリばかりで人を騙すことになんの罪悪感も持たないハル。正々堂々とは言えない作戦を企て、なんのためらいもなく実行する。そんなハルの性格に最初こそ驚いたものの、ガクも私たちもどこか慣れてしまっていたのかもしれない。桜たちをその気にさせているときも「ああ、また得意のウソが始まった」なんてちょっぴり笑えてしまうくらい、ハルのことを理解しているような気持ちになっていた。だが、ハルがガクのことさえも、桜たちのように使えるコマとしか見ていないなんてなぜそう思えるのか。
同じ夢に向かって一緒に歩む仲間、誰よりも心強い味方、何度もピンチをくぐり抜けてきた固い絆……。そんなハルが見せてくれたものは、桜たちに見せたオフィスや世界の堀本と同じように、ハルが“トリリオンゲーム”に勝つための飾りだったのかもしれないと鳥肌が立つ。しかし、もしそれが事実だったとしたら。少し未来にガクとハルがバラバラになっていることも納得だ。ハルは最初からロードマップを見せてくれていた。ゴールはココだと。それを叶えるために突き進んでいるのだと。しかし、そこには金儲けだけではない何か。例えるなら、ガクや凜々、桜たちのように崖っぷちにいる仲間たちを救い、一緒に夢を叶えていくという情熱があってほしいと願ってしまった。
トリリオンゲームに勝つ、という目的だけでなく、そのプロセス自体を楽しんでいるガクと同じように思ってくれているはずだと。でも、それはガクや私たちが勝手に抱いた幻想だったのかもしれない。けれど、やっぱり信じたくなるのだ。あの冷たい眼差しの先にさらなる知らない顔を隠し持ち合わせているのではないか。そして、私たちを笑顔にしてくれるのではないかと。それくらいハルに、そしてハルを演じる目黒蓮という男に、もう一泡吹かせてもらえるはずだと期待せずにはいられない。
■放送情報
金曜ドラマ『トリリオンゲーム』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:目黒蓮(Snow Man)、佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、竹財輝之助、あかせあかり、國村隼、吉川晃司
原作:稲垣理一郎/作画:池上遼一『トリリオンゲーム』(小学館『ビッグコミックスペリオール』連載)
脚本:羽原大介
演出:村尾嘉昭、竹村謙太郎、田中健太
プロデューサー:松本明子、松下ひろみ、加藤章一
主題歌:Snow Man「Dangerholic」(MENT RECORDING)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS/撮影:高橋裕子
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/trilliongame_tbs/
公式Twitter:@trillion_tbs
公式Instagram:trillion_tbs
公式TikTok:@trillion_tbs