『トリリオンゲーム』目黒蓮のゾッとするような冷たい目 絶望的な表情を浮かべる佐野勇斗

『トリリオンゲーム』目黒蓮の冷たい目

 こんな目黒蓮のゾッとするような冷たい目が見られるとは、と拍手をしたくなった。金曜ドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)第4話。ハッタリAIで成功させたオンラインショップ『ヨリヌキ』を、ドラゴンバンク社にパクられてしまったハル(目黒蓮)はさっそく逆襲を企む。だが、それはガク(佐野勇斗)や私たち視聴者の想像を遥かに超えた、さらなるハッタリ作戦だった。

 大々的な広告で一気に顧客を奪われてしまったことから、メディアの力を味方につけなければならないと考えたハル。そのために必要な数十億円という資金を調達するために、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)事業に参入することに。ゲーム会社のノウハウと技術をクリエイターごと買収しようと駆け回るも、相手にしてくれるゲーム会社はなかなか見つからない。そんなとき、ゲームへのアツい思いがあるからこそ、ビジネスとして苦戦を強いられているゲーム会社「SAKUSAKULAB」に出会うのだった。

 ユーザーに課金をさせようとばかり考える昨今のゲーム作りに「ハートが足んねえ!」と憤っていた社長の桜(原嘉孝)。その真意を聞くやいなや「俺、あなたの分身なんです。俺も幼い頃から寝ても覚めてもゲームゲーム……ず~っとゲーム一筋。誰よりもゲームを愛すハートはあります」とアプローチ。もちろんこれも、お得意なウソだ。だが、「桜さんはハートを大事に自由にゲームを作ってください。常にクオリティファーストで」「俺らと一緒に世界がひっくり返るようなヒットゲームを作りましょう!」と口説いていく様子は、真に迫るものがあった。この熱のこもった言葉は、おそらく桜がずっと取引先の誰かに言ってほしかったこと。

 相手が欲しているものを見極めると、すぐにサッと出してくる。それがハルの最も得意としている人心掌握術だ。次にハルが提示したのは、最高の労働環境。家賃300万円の新しいオフィスを借りて桜たちを迎える。そんな大胆な行動が、桜たちの目にはハルの本気として映ったに違いない。加えて、「SAKUSAKULAB」が成功しなかった大きな理由として「優秀なゲームプロデューサーがいなかったから」とする社員たちの声を受けて、ドラゴンバンクの人気ゲーム・ドラ娘を手掛けたプロデューサー“世界の堀本”を引き抜いてくることも約束。

 そんな中、タイミングよく世界の堀本がドラゴンバンクを退職し、フリーランスに転向したというニュースも舞い込んできた。勝機を見たハルは、まだ世界の堀本に会ってもいないうちから、ガクと凜々(福本莉子)に会場を予約させ、ゲームの制作発表パーティーの準備をさせるのだった。ガクと凜々が不安を募らせる中、ついにハルが世界の堀本を連れてパーティー会場にやってくる。そして、見事20億円の資金を集めることに成功する。桜はハルたちを信じてよかったと涙を流して喜び、「必ず最高のゲームを作るぞ!」と祝杯を挙げるのだが、同時刻オフィスではガクが絶望的な表情を浮かべていた。

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