『シークレット・インベージョン』ネタバレ解説 最終回で張られた今後の伏線とは?
その3:ローズがトニーのために戦う理由につながる?
本エピソードでファンにとって衝撃だったのは、ジェームズ・“ローディ”・ローズ大佐(以下、ローズ)です。彼が拉致され、スクラル人のラーヴァがなりすましていたことが判明します。偽物ローズが存在していたこと自体は別に驚かないのですが、問題はいつから入れ替わっていたのかというその時期。
ガイアは、ローズがかなり長い間拉致されていたと言う。そして、救出されたときに彼が着ている入院患者風のガウン。これが物議を醸しています。このガウン、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の時のガウンではないか?と。確認できる方は、ディズニープラスで配信中の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の1時間47分8秒目あたりのシーンを観てください。負傷してMRIを受ける時のガウンに似ています。つまりローズは、このタイミングでスクラル人に拉致されていた可能性がある。そうなると、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以降のローズはすべてスクラル人で、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』のローズは偽物だったのでしょうか? 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以降のローズがスクラル人の場合、『アベンジャーズ/エンドゲーム』に本人は参加していないから、親友のアイアンマンことトニーの死を知らないことになります。となると、この先彼はここ数年何があったかを知る。その衝撃と喪失感は、計り知れないでしょう。その穴埋めのため、ヒーローとして再び立ち上がろうとする。それが次にローズが活躍するとされるMCU映画『アーマー・ウォーズ(原題)』につながるのではないかと考えられます。
コミックでは、アイアンマンのアーマーの技術の秘密が世界の悪者たちの間に流出してしまう、という事件を描いた作品。トニーの死に立ち合えなかったローズが、せめてもの償いに、親友の名誉と技術を守るために戦うという燃える展開になるのでしょうか。ローズのこれからの活躍に期待したいですが、その一方で『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのローズが偽者だったというのは、ウォーマシン好きとしてはちょっと複雑。こういうところも『シークレット・インベージョン』に“否”派がいる要因かもしれません。
もっとも、こうした憶測もガウンの説明がつけばなんとでもなるわけで、例えばローズが直近で登場した『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の後、彼がたまたま人間ドックにいた時に拉致された、という可能性だってあります(笑)。拉致されていたと言えば、元CIAのエヴェレット・ロスもどのタイミングで拉致されていたのか気になります。彼はワカンダとつながっているし、これからのMCUの重要人物であるヴァルの元夫です。偽ロスが活動していたというのは、結構まわりに与える影響が大きいのでは?
その4:クリーの和平交渉は次なる波乱の幕開け?
フューリーは再び宇宙(宇宙ステーション)のセイバーに帰ってきます。今年公開のMCU映画『マーベルズ』は、セイバーに戻ったニック・フューリーとキャプテン・マーベルらが共闘する展開になりそうです。
本ドラマの最後で、フューリーはスクラル人の宿敵=戦争相手であったクリー人が和平のテーブルにつきそうだから宇宙に戻る、と言っています。そもそもスクラル人が故郷を失ったのはクリー人との戦争ですから、ようやく平和が訪れるのでしょうか。ですが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』1作目を思い出してください。あのとき、クリー帝国とザンダー星は双方が和平で合意しましたが、これに納得のいかないクリーの将軍ロナンが騒ぎを巻き起こしました。
『マーベルズ』ではこのロナンの後継者ともいうべき、クリーの武闘派ダー=ベンがメインヴィランと言われています。ということは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のロナン激怒のパターンでクリーがスクラルとの和平の道を進みだしたので、ダー=ベンが怒りのあまり暴走するのかもしれません。
確かに未解決・不完全の要素もあった『シークレット・インベージョン』ですが、今後のMCUにつながっていく伏線=期待がちりばめられていました。個人的にガイア役のエミリア・クラーク、とても好きなので彼女の活躍をこれからのMCUでも観たいですね。
■配信情報
『シークレット・インベージョン』
ディズニープラスにて独占配信中
©︎2023 Marvel