『シークレット・インベージョン』ネタバレ解説 最終回で張られた今後の伏線とは?

『シークレット・インベージョン』最終話解説

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします! 今日はファイナルを迎えたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)×ディズニープラスのドラマ『シークレット・インベージョン』が、この後のMCUにもたらす影響について解説します。(以下、ネタバレあり)

最終回で張られまくった今後の伏線

 まずこのコラムは『シークレット・インベージョン』を最後までご覧になった上でお読みください(ネタバレ全開です)。かつここでは『シークレット・インベージョン』というドラマの総括ではなく、本作で提示された設定等が今後のMCUにどうつながってくるか、について重点的に推察してみます。

 というのも『シークレット・インベージョン』は賛否両論のドラマで、特に最終回はあっさりと問題が解決してしまったり、さらに主人公ニック・フューリーがわりと状況をほったらかしたまま宇宙へと戻ってしまうなど、ファンにとって物足りない部分も多いのです。その一方で、次のMCU展開につながっていくパーツと考えるととても興味深い作品でした。これから作られるであろう4つのMCU作品に関わってくるので、順番にご説明しましょう。なお、今回の内容は筆者の予想であって、マーベルなどの公式発表ではありません。

その1:イギリスにスーパーヒーローチーム誕生?

 エピソードの最後で、スーパースクラル人となったガイアがMI6(イギリスの諜報機関)のソーニャ・ファルズワースにスカウトされ、この先共闘することがわかります。この地球にはまだまだスクラル人が潜入していて、シークレット・インベージョンしているわけですね。ガイアとソーニャはこれに立ち向かっていくのです。このソーニャという人物はドラマオリジナルですが、ファルズワース姓を持つ人物はコミックに登場しています。ジェームズ・モンゴメリー・ファルズワース、ブライアン・ファルズワース、ジャクリーン・ファルズワースというキャラでマーベル・コミックにおいて英国のヒーローとして登場します。

 ジェームズ・モンゴメリーとその息子ブライアンは“ユニオン・ジャック”という、英国旗をモチーフにした衣装を着たイギリス版キャプテン・アメリカ的なヒーロー。第一次大戦から活躍。特にジェームズ・モンゴメリーはイギリスの諜報部員でした。また映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』ではキャプテンを助ける精鋭部隊ハウリング・コマンドーズが出てきますが、その中の一人としてジェームズ・モンゴメリー・ファルズワースが登場します。

 したがって、今回のドラマのソーニャ・ファルズワースは、コミックや映画に出てくるファルズワース家の血縁(孫とか)という設定ではないかと思われます。また、コミックではファルズワースの一族にはジャクリーン・ファルズワースという娘がいて、彼女はスピットファイアというスーパーヒーローとして活躍しています。

 ここで興味深いのが、『シークレット・インベージョン』のコミックが発表された時に、イギリスでのスクラル人との戦いを描いた『Captain Britain And MI13: Secret Invasion』という作品がリリースされました。このエピソードではイギリスのヒーロー、キャプテン・ブリテン(これまたイギリス版キャプテン・アメリカみたいなヒーローなんですが“ユニオン・ジャック”とは別)らが、イギリスの諜報部MI13とともにスクラル人の侵略に立ち向かうというもの。キャプテン・ブリテンの下には、前述のスピットファイア、スクラル人でありながら地球人側についたジョン、ブラックナイトらが集います。ドラマ『シークレット・インベージョン』で、ソーニャがガイアを仲間に引き入れてスクラル人と対抗しようというのは、この『Captain Britain And MI13: Secret Invasion』をベースにした物語がいずれMCUで語られるということかもしれません。また、ソーニャの下でイギリス版アベンジャーズが結成されるということを暗示している可能性もあります。

その2:大統領の失脚、そして新大統領は?

 スクラル人の侵略を知り、過激なエイリアン排他路線に舵をきるリットソン大統領。それ故、世界にさらなる混乱が巻き起こります。そんなリットソン大統領に対し、フューリーは「いかにも一期で終わる大統領だ」と吐き捨てるように言います。こんな愚策をする大統領の政治生命は長くない、と。

 このフューリーのセリフは、MCUにリットソンに代わる新たな大統領が誕生することを示唆しています。誰あろう、ハリソン・フォード演じるロス大統領です! 実はMCUのフェーズ5を締める超大作として『サンダーボルツ(原題)』なる作品が予定されています。

 この『サンダーボルツ』というのはMCUのアンチヒーロー、ヴィランたちで構成された、はぐれ者チームの活躍を描きます。そして本チームと関わってくるのがサディアス・“サンダーボルト”・ロスという人物。もともとハルクを追い詰める将軍で、後に政府の長官となりソコヴィア協定を推進した人物です。

 この映画では彼が米国の大統領になったという設定で登場するのです。サディアス・“サンダーボルト”・ロス役はずっとウィリアム・ハートが演じていましたが、亡くなったため、ハリソン・フォードがこの役を引き継いだのです(註:ハリソン・フォード演じるロス大統領は『サンダーボルツ』に先立ち、まず『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)』に登場する予定。『サンダーボルツ』で本格的に活躍すると言われています)。

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