宇野維正の興行ランキング一刀両断!
『ミッション:インポッシブル』新作、初動10億超の好スタート 見え隠れするストの影響
全米脚本家ストライキと俳優組合の影響は、撮影中だった作品や、クランクインを直前に控えていた作品や、来年以降に製作されるはずだった多くの作品だけでなく、既に完成している作品の公開スケジュールにも多大な影響を与えている。来月8月30日に開幕するヴェネチア国際映画祭でワールドプレミアが予定されていた『デューン 砂の惑星 PART2』は映画祭からの作品の引き上げを決定、噂では来年5月開催予定のカンヌ国際映画祭への出品を再検討しているという。当然、劇場での一般公開も同じく半年レベルで遅れることが予想されている。
ハリウッド大作、とりわけ『デューン 砂の惑星 PART2』のようにトップスターが数多く出演している作品にとって、俳優のプロモーションができないのは興行的に致命傷となる。また、今後も完成している作品の公開延期のアナウンスが続くことが予想されるが、それはプロモーションの問題だけでなく、そうでもしないと、ただでさえ近年メジャースタジオ作品は減少していることもあって、2024年以降の劇場公開作品がスカスカになってしまうという理由も大きいだろう。
コロナ禍によって次々に大作の公開が延期された2020〜2021年。あれからまだ3年も経っていないのに、2024年、さらに2025年以降の世界の映画興行界には同じような惨状、いや、もしかしたらそれ以上の惨状が待っているかもしれない。
参照
※ https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/tom-cruise-lobbied-studios-sag-aftra-stunt-ai-1235538456/
※ https://www.thewrap.com/bob-odenkirk-strike-paramount-dont-promote-movies/
■公開情報
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
全国公開中
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ヴァネッサ・カービー、ヘンリー・ツェーニー、ヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、イーサイ・モラレス
配給:東和ピクチャーズ
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
©2023 PARAMOUNT PICTURES.
公式サイト:missionimpossible.jp