『風の谷のナウシカ』のマネしてみたいセリフ 言葉に表れたナウシカとクシャナの思い

『風の谷のナウシカ』のマネしてみたいセリフ

 人類を越えて世界そのものを愛するナウシカと、人類のために立とうとするクシャナの言葉のどちらに与するべきなのか。映画の公開から来年で40年が経とうとしていても、解決するどころかより深い迷いへと誘われる現実の世界情勢を、今一度考えてみる必要がありそうだ。

 この2人に限らず、『風の谷のナウシカ』には使ってみたくなる台詞がいくつもある。例えば、クシャナに付いてきたクロトワが言う、「何があったか知らねえが、かわいくなっちゃって、まあ」という台詞。いつもは強気な恋人が妙にしおらしくなったときに、家弓家正のニヒルな口調を真似して言ってみたいが、殴られるか蹴飛ばされることは覚悟しておいた方が良いだろう。

 そして、同じくクロトワの「腐ってやがる。早すぎたんだ」という台詞。こちらも私生活で出された料理が生焼けだったときに思わず口をついて出そうだが、言ったが最後、皿で頭を殴られるだろうから心の中だけにしておこう。せめてアスベルのように、「ふーん。味はともかく長ぐついっぱい食べたいよ」と言えば……やはり殴られそうだ。

 ユパ様の「双方動くな! 動けば王蟲の皮より削り出したこの剣が、セラミック装甲をも貫くぞ」という台詞も、ケンカや言い争いの間に飛び込んで繰り出したらカッコいいことこの上ないが、『宇宙戦艦ヤマト』で沖田十三艦長を演じた納谷悟朗の声で言うからこそ発揮できる仲裁力だ。

 そしてやはり、『風の谷のナウシカ』といえば思い出す、「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」という大ババ様の台詞。重々しく口にすれば、何かとても重要なことを言っている気になるが、使うシチュエーションが思い浮かばないのが難点。ファッションショーをテレビで観ながら、青い服を着たモデルがランウェイを歩く時につぶやいてみるのはどうだろうか。

■放送情報
『風の谷のナウシカ』
日本テレビ系にて、7月7日(金)21:00~23:24放送
※放送枠30分拡大 ※ノーカット
原作・脚本・監督:宮﨑駿
プロデューサー:高畑勲
音楽:久石譲
声の出演:島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正ほか
©1984 Studio Ghibli・H

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