『だが、情熱はある』は背中を押してくれる作品だった 髙橋海人と森本慎太郎がくれた勇気

『だが、情熱はある』に感謝を込めて

 そしてなんと言っても、主演の髙橋海人と森本慎太郎の憑依力の凄まじさには何度も驚かされた。とくに、最終話で若林(を演じている髙橋)と、山里(を演じている森本)、そして髙橋&森本が一堂に会したところは、歴史に残るワンシーンだったように思う。

だが、情熱はある

 そもそも、作中の2人があまりに若林と山里になりきっているため、「見分けがつかない」なんて思っていたが、実際に並んで見るとやっぱり全然ちがう。グループのなかでは天真爛漫な弟キャラである髙橋と、ワイルドかつヤンチャな雰囲気の森本。俗にいう“キラキラアイドル”である2人が、オーラを捨て、役になりきるまでには、どれだけの研究と努力があったのだろう。想像しただけで、涙腺が緩む。

 また、脇を固めるキャスト陣もよかった。春日俊彰を戸塚純貴が演じると発表された時は、「体型からしてちがうけどどうするのだろう……」なんて思ったが、今では“春日よりも春日だった”と言っていた(作中の)若林に全力で同意する。そして、バラエティ番組などで見せる姿はピュアな印象の富田望生も、全力でしずちゃんになりきっていた。癖のある喋り方だけでなく、目つきや歩き方まで。演技力で、本人との体格差をかき消していたのだからすごい。

 毎週、『だが、情熱はある』に“情熱”を分けてもらっていたからこそ、終わってしまうのは寂しい。しかし、完全フィクションの物語とはちがい、若林と山里の人生はこれからも続いていく。最高の作品を届けてくれた彼らに心からの感謝を込めて、今後も力いっぱい応援していきたい。そして、またいつか、“たりないふたり”に再会できることを願っている。

■配信情報
日曜ドラマ『だが、情熱はある』
TVer、Huluにて配信中
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる