無限に続くシリーズ化を希望! 正統派のパワーアップを遂げた『タイラー・レイク2』
本作にはタイラー・レイク……否、タイラー・レイク先生からの「君たちはどう生きるか?」という魂の授業的な側面がある。近年では珍しくなった清々しいほど余計なことしかしないクソガキが出てくるが、このクソガキの扱いにこそタイラー・レイク先生の教えが詰まっていたように思う。いかなクソガキでも、子どもに向けては、本当の仲間とは打算や相互監視的な関係ではなく、無償の愛をもって行動してくれる人だと教えねばならない。そして子どもがシャレにならない間違いを犯しても(市街戦が起きても)、それを許し、正しく導く大人であれ、と。タイラー・レイク先生は文字通り血と汗にまみれながら教えてくれる。程よい塩梅で仕込まれる説教は、エンタメにとって良いスパイスとなるのだ。
そんなわけで相変わらずの面白さを保った本作であるが、今回は前回と違って明確に続編を意識しているので、この調子でタイラー・レイク先生が世界中で死ぬほど頑張る話を作り続けてほしい。というか今回で完全に「型ができた」感があるので、マ・ドンソクの『犯罪都市』(2018年~)シリーズよろしく、無限にできるはずだ。本作はまさに血と硝煙と殴り合いにまみれた、命がけの『男はつらいよ』シリーズ誕生の瞬間である。ともかく観終わったあとに「やっぱ東欧のマフィアに襲われたり、そういう『いざ』ってときのために体力をつけないとなぁ」と素直に思えたので、いいアクション映画であることは間違いない(いいアクション映画は観たあとに体を鍛えたくなるので)。
■配信情報
Netflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-2』
Netflixにて独占配信中