『らんまん』を象徴する多くの草花 寿恵子の人生をあらわす花にみる成長と冒険

『らんまん』寿恵子の人生をあらわす草花とは

ユウガオ

 第11週のタイトルにもなった花がユウガオだ。口では男女対等を唱えながら、かけ離れた行動を取る男たちの大きな波に飲まれそうになりながら、まだ17歳の寿恵子はたった一人で戦ってきた。それは、どれだけ不安で大変なことであったか。

 そして、寿恵子がとうとう高藤の手を振り払うときがきたのだ。自らの脚で真っ直ぐに立ち、おかしいと思うことをおかしいと伝えられた寿恵子には、SNSにも「あっぱれ! ブラボー! スッキリした!」、「寿恵子、よく言った!」など感動の声が集まった。

 ぐんぐんと勢いよくツルを伸ばす逞しいユウガオは、なにものにも屈しないしなやかさと強さを持つ寿恵子をあらわすにふさわしい。純白のドレスをまとい、夕暮れどきの日差しを目一杯浴びた寿恵子は「ユウガオのお姫様」そのもの。ドレスの裾をたくし上げイキイキと町を走り抜ける姿は、誰の目にも輝いて見えただろう。

 大好きな万太郎の胸の中に自ら飛び込んでいった寿恵子。大切な人と再会できて、どれほど安堵しただろうか。万太郎はまだ、寿恵子がどんな大冒険の果てに自分のもとにやってきたのかを知らない。だが一回りも二回りも大人びて見える寿恵子の姿に何かを感じ取ってくれたとしたら、それはうれしいことだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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