『らんまん』奥田瑛二がいぶし銀のオーラを放つ 職人気質な万太郎とは似た者同士?

『らんまん』奥田瑛二が放ついぶし銀のオーラ

 主人公の万太郎(神木隆之介)が寿恵子(浜辺美波)を正々堂々迎えに行ける未来のために、全力で走って向かった先は大畑印刷所だった。『らんまん』(NHK総合)第9週ラストに登場したのは、いかつい男性たちが汗を流す印刷所と、彼らを率いる代表の大畑義平(奥田瑛二)だ。渋くていぶし銀で一筋縄ではいかなそうな様子が一瞬の登場シーンからも放たれていた。

 奥田は『ひまわり』、『どんど晴れ』、『まんぷく』に続き朝ドラ出演は本作が4作目。『どんど晴れ』では、ヒロイン・夏美(比嘉愛未)の婚約者で後の夫となる柾樹(内田朝陽)の失踪した父親役を好演。そして、自身の次女・安藤サクラがヒロインを務める『まんぷく』では、衆議院議員の土井垣役を演じていたが、やはり奥田には凄みがある豪快な役どころがよく似合う。一見したところ強面ながらも、義理堅く愛情深い一面もある親分肌な役柄は、本作の大畑とも通じているだろう。

 この豪快さのベクトルが私利私欲に強く傾けば、『99.9−刑事専門弁護士−』(TBS系)での主人公・深山大翔(松本潤)の宿敵で検事の大友修一役のように転じる。自身の出世欲のため、また自己保身のために利用できるものは徹底的に利用し事実をもねじ曲げる、そんなある意味ブレない強敵役を熱演していた。また、独特な色気の滲む奥田がその出力度数を上げれば、『黒革の手帖』(テレビ朝日系)に登場する楢林クリニックの院長のようになる。

 本作の大畑しかり一目見ただけでも癖が強そうで少しひりついた緊張感漂う役柄を担うことの多い奥田が、映画『うちの執事が言うことには』では永瀬廉演じる主人公の一族に仕えていた前執事を演じていたり、『女系家族』(テレビ朝日系)では矢島家の大番頭役として清濁併せ吞みながら様々な有象無象を見守る語り部のような役割を担っていたのも面白い。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる