當真あみ、『どうする家康』松本潤&有村架純から学んだ役への姿勢 「追求心を見習って」
第21回までの放送を終えたNHK大河ドラマ『どうする家康』。毎週魅力的な人物が登場している中、第17回から物語に“癒やし”を与えてくれているのが、家康(松本潤)と瀬名(有村架純)の長女・亀姫だ。演じるのは、映画『かがみの孤城』では主人公・こころの声優を、日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)で謎の女子高生・嶋崎水面を好演するなど、デビューから各出演作で存在感を放っている當真あみ。初出演となる大河ドラマでも、堂々たる好演をみせている。亀姫を演じるにあたってどんな準備をしていたのか。
「亀姫の天真爛漫な明るさは私にはない魅力」
ーーデビューからドラマ出演が続き、6月には出演映画も公開待機中です。ここまで俳優業はいかがですか?
當真あみ(以下、當真):演じる役柄をとおして、自分が絶対に経験できないようなことを経験させていただけることはすごく幸せなことだと感じています。あとは自分ではない誰かになることはすごく楽しいです。
ーーそして、本作で大河ドラマ初出演となりました。
當真:錚々たる俳優さんたちが出演される作品のイメージがあったので、まさか自分が出演できるなんてと本当に驚きました。現場でも緊張感が漂うシーンばかりで、空気に飲み込まれそうになることもありました。今までこんなに大きなセットで撮影したこともなかったですし、美術のひとつひとつをみてもこんなにすごい世界があるんだと驚くことばかりです。
ーー演じる亀姫については?
當真:私自身にも近いと思うのですが、まだ母の元を離れることができない、大人にはなっていない女の子です。台本を読んでいてもかわいらしいなと思っていたのですが、少しずつ亀姫も大人になっていくんです。亀姫の天真爛漫な明るさは私にはない魅力ですし憧れます。演じる上では、彼女がどういった形で親元を離れて嫁いでいくのか、そして大人になっていくのか。この変化はしっかりと付けられるように意識しました。
ーー両親を演じるのは松本潤さんと有村架純さんです。お二人の印象は?
當真:松本さんも有村さんも本当にとてもストイックな方で。ご自身がどのように映っているのか、声のトーンはどうだったのか、そしてどうシーンが構成されていたのか、常に意識されていて、すごいと思うことばかりです。「もっといいものを」というお二人の追求心を私も見習って、もっといい演技をしていきたいと思っています。有村さんとはほとんどのシーンで一緒だったのですが、休憩の合間も気さくに話しかけてくださって、「緊張していない?」「喉乾いていない?」など、細かいところにまで気を遣ってくださって、本当に優しい方でした。
ーー第21回では、亀姫が織田信長と対峙するシーンがありました。現場の空気もガラッと変わったのでは?
當真:そうですね。亀姫は徳川家の家臣団の方々も含めて、“家族”としか一緒に過ごしていなくて、家の外をほとんど知りません。だから、信長さんがやってきたときはすごく怖かったと思います。実際のお芝居でも、信長を演じる岡田准一さんが放つオーラがすごくて、ものすごい緊張感でした。ふと視線をこちらに向けられただけでもドキッとするような。第21回では、亀姫のセリフも多くて、しかも非常に重要なシーンですごくプレッシャーがあったんです。なのに、本番でセリフを間違えてしまって……さらにそのプレッシャーが倍になって。そんなときに、目の前にいらっしゃった岡田さんが「全然大丈夫だよ。今の感じ良かったから、もう1回できるよ」と言葉をかけてくださいました。そのおかげでなんとか気持ちをリセットできて、やり抜くことができました。岡田さんにはとても感謝しています。