福山雅治×大泉洋『ラストマン』高視聴率の理由は? “日曜劇場”だからこそのポイント

『ラストマン』高視聴率の理由は?

 その3つのキーワードで考えても『ラストマン』はぴったり当てはまる。劇中で起きる犯罪は1話ごとに解決するし、本筋の犯罪とはさほど関係のない小さな謎(第5話でいえばトップインフルエンサー、カナカナの正体)も皆実がきっちり回収する。さらに第1話から小出しにされてきた「皆実の両親が死亡した事件の犯人とされているのは心太朗の実の父親ではないか? さらに41年前の事件の真相に護道家は関与している?」との全話を通しての謎について、SNSではすでに考察合戦が始まっている。

 『ラストマン』の作中で起きる事件は“今”を映し出すものが多い。世の中に上手く順応できない引きこもりの青年が起こした爆弾事件や不倫した芸能人への社会的制裁、ライブ配信を使ったトリック、フォロワー数に支配されるインフルエンサーなど、20年前なら想像するのが難しかった社会のひずみも描かれる。その社会のひずみを盲目の捜査官・皆実が名前に“心”の一文字を持つ心太朗とバディを組み、心の目で見て、他の刑事では成立しえない手を使って犯人を逮捕する展開が本作の大きな魅力といえる。

 まだ約半分の放送が終わったところでこんな予想をするのは早いかもしれないが、皆実と心太朗の“アグリーコンビ”はこの1作で終わるだろうか。わたしの心の目には、41年前の事件を含むすべての謎を解決し、一旦はアメリカに戻った皆実が時を経てヘリコプターで現れ、ふたたび心太朗とバディを組む未来が映し出されているのだが、さて、あなたはどう見るだろうか。

■放送情報
日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:福山雅治、大泉洋、永瀬廉(King & Prince)、今田美桜、松尾諭、今井朋彦、奥智哉、王林、寺尾聰、吉田羊、上川隆也
脚本:黒岩勉
演出:土井裕泰、平野俊一、石井康晴、伊東祥宏
撮影監督:山本英夫
プロデュース:益田千愛、元井桃
編成プロデュース:東仲恵吾
音楽:木村秀彬、mouse on the keys
全盲所作指導:ダイアログ・イン・ザ・ダーク
協力:日本視覚障害者団体連合
製作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/lastman_2023_tbs/
公式Twitter:@LASTMAN_tbs
公式Instagram:LASTMAN_tbs

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