もしや無限に続く? 最新作で過去最高のスタートを記録した『ワイルド・スピード』

『ワイスピ』最新作で過去最高のスタート記録

 先週末の動員ランキングは、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が週末3日間で動員64万6373人、興収9億9236万3320円をあげて初登場1位となった。公開時期が連休と重なった2021年8月公開の前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(最終興収36億6700万円)のオープニング4日間の興収は10億6156万4450円。同じ3日間で比べると約20%アップ。シリーズ国内最高興収を記録した2017年4月公開の前々作『ワイルド・スピード ICE BREAK』(最終興収40億5000万円)のオープニング3日間と比べても約15%アップ。ということで、2度目の興収40億円超え、さらにはシリーズ最高興収更新も狙える絶好のスタートをきった。

 もし『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』の興行で気がかりな点があるとしたら、北米のオープニング成績が前作比で96%と、わずかに下回ってしまったことくらいか。もっとも、現時点で同作の北米と北米以外の地域の興収比は22.5:77.5(Box Office mojo調べ)。7作目の『ワイルド・スピード SKY MISSION』以降の作品では北米以外での興収が全興収の80%前後を占めるという、ハリウッド映画の人気シリーズの中でも特異な傾向を持つシリーズだけに、仮に北米でフランチャイズの人気に陰りが見えたとしても、その影響は限定的なものとなるだろう。

 既に発表されている通り、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』はシリーズ完結編2部作のパート1という位置付け。なので、毎作お約束のラストのバーベキューシーンが、今回は冒頭でやってくる。まだ正式に発表はされていないものの、本作の公開直前になって主演のヴィン・ディーゼルやプロデューサーから3部作になる可能性も示唆されている。もしそうなった場合、シリーズ最終作となるパート3のラストがバーベキューシーンになることは間違いないとして、真ん中のパート2ではバーベキューシーンはどのタイミングで描かれるのだろう?

 そんなどうでもいいことを心配するくらいしかないほど、とにかく順風満帆な『ワイルド・スピード』シリーズ。日本では『ワイルド・スピード』のタイトルが冠せられてしまった(念のために言っておくと今回の『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』はあくまでシリーズ10作目であり、日本でのみ一部で記述を見かける11作目ではない)スピンオフ作品『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』の続編だけでなく、今後は女性のキャラクターを主人公にしたそれとは別のスピンオフ作品も予定されているとのこと。それを聞くと「そもそも最終作の価値とは?」という気持ちにもなってしまうが、作中で死んだはずのキャラクターが平気で生き返って出てくるように、フランチャイズそのものも今後何度でも復活するという覚悟を今のうちにしておいた方がいいだろう。

■公開情報
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
全国公開中
出演:ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ジェイソン・モモア、ナタリー・エマニュエル、ジョーダナ・ブリュースター、ジョン・シナ、ジェイソン・ステイサム、サン・カン、ヘレン・ミレン、シャーリーズ・セロン、ブリー・ラーソン
監督:ルイ・ルテリエ
脚本:ジャスティン・リン、ダン・マゾー
提供:ユニバーサル・ピクチャーズ
配給:東宝東和
©Universal Studios. All Rights Reserved.
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