森山未來の何度も驚かされる身体表現 『風間公親-教場0-』でも今後のカギを握る人物に

森山未來が暗躍する『風間公親-教場0-』

 今期の地上波ドラマでいまもっともお茶の間を騒がせているのは誰か。それは間違いなく、『風間公親-教場0-』(フジテレビ系)の森山未來だろう。早くも折り返しに入った本作に、何の予告もなく姿を見せたのだ。彼の次の動きが気になって仕方ないのは筆者だけではないはず。このドラマの今後の展開のカギを握るキャラクターを演じているのである。

 森山が演じている役どころを簡単に整理しておこう。本作は、2020年に“フジテレビ開局60周年特別企画”として2夜連続で放送された『教場』シリーズの第3弾にあたるもの。2021年にはシリーズ第2弾である『教場II』がまたも2夜連続で放送され、大きな注目を集め話題を呼んだ。連続ドラマとして放送中の『風間公親-教場0-』は、これらのプリクエル(前日譚)作品である。前2作で「教場」の鬼教官として恐れられた主人公・風間公親(木村拓哉)が、警察学校に赴任するまでの過程がいま明かされているところだ。

 『教場II』のクライマックスでは義眼である風間の過去が映し出され、多くの視聴者に衝撃を与えた。行動をともにしていた部下の遠野章宏(北村匠海)が全身黒ずくめの男に頸部を千枚通しで刺され、風間は右目を失ったのだ。『風間公親-教場0-』の第6話で描かれたのはこの詳細であり、犯人の顔も判明。それが、森山が演じる十崎という男だったわけである。このポジションへの配役がどれだけ大変なことであるかは、本シリーズを見守ってきた方ならば分かるだろう。

 正直なところ、現段階で森山の演技に言及することは難しい。果たして彼はいつからキャスティングされていたのだろうか。『教場II』のあのクライマックスのときからこの“千枚通しの男”こと十崎を演じていたのか。はたまた、連ドラ化の実現が具体性を帯びていくのに連れて森山に白羽の矢が立ったのか。後者ならば、映画『るろうに剣心』シリーズの第4作と最終作だけ雪代巴を演じた有村架純のようなパターンかもしれない。ある意味、表情のなかったこのようなキャラクターたちが顔を見せるとき、それを誰が演じるのかは極めて重要な問題だ。本作の十崎にしろ、『るろうに剣心』の巴にしろ、主要人物なのだから演じ手の知名度は重視されるだろう。しかし、「やはり」というか、「もちろん」というべきか、その演じ手たちがいかに優れたプレイヤーであるかが最重要事項であることは言わずもがなだ。

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