『わたしのお嫁くん』高杉真宙&波瑠の関係は“癒やし” 徹底して描かれる男女逆転のテーマ

『わたしのお嫁くん』高杉真宙×波瑠は癒し

「俺は先輩の嫁ですけど、彼氏にもなりたいと思ってます、ずっと」
「1億円。今の気持ちは“宝くじで1億円当たった”が一番近くて(中略)嬉しすぎてパニックになってるっていうか」

 速見穂香(波瑠)と山本知博(高杉真宙)の2人節大炸裂でようやく互いの気持ちを確認し合った『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)第6話。いつになくコメディ要素が盛り込まれた今話で、2人が正式に結ばれるのがなんとも本作らしい。

 誕生日に何が欲しいか聞かれた穂香は、“皆でキャンプに行きたい”と答えた。希望通り、山本三兄弟と親友・君子(ヒコロヒー)も交えたキャンプが開催された。

 ロマンチック大作戦と題して穂香への告白を計画する山本。そして長兄・正海(竹財輝之助)と次兄・薫(古川雄大)と交わした「ルームシェア中に山本知博さんに絶対に手を出しません」という誓約書の破棄を求めるために話し合いを望む穂香と、それぞれに気合は十分だ。

 しかし正海は山本が予約しておいたグランピングを勝手にキャンセルし、テント張りや薪割り、水汲みまで自分たちで賄わなければならない「自然の中で己の無力さを知り己を成長させる」本格派キャンプに様変わり。しかも、穂香が話しかけようとしても仕事がふられるばかりで、確実に話し合いの場を避けているようだ。ただ、この正海による急な予定変更が結果的に山本、穂香それぞれの狙いを叶えることに繋がったとも言える。

 何とか大自然の中でロマンチックな告白を成功させようと通りすがりの男性(温水洋一)にイルミネーションスポットを教えてもらった山本が辿り着いたのは、演歌歌手・入峰ショーンの聖地というフォトスポットなのが笑える。そもそも山本がこのスポットに案内されたのが、実は他でもない入峰ショーン(温水洋一)本人だったというオチ付きだ。

 ただ、このフォトスポットから転げ落ちてしまった山本を穂香が見つけ出し、おんぶして歩く姿を見かけた正海は全てを悟る。穂香の背中の上で安堵し切った恍惚の表情を見せる山本が憎めず、彼らの互いを想い合う信頼関係がそこに滲み出ていた。正海はついに誓約書を焚き火に燃やし2人のことを認めた。山で遭難するのが山本で、それを救い出しおぶるのが穂香で……どこかで既視感のあるシーンを尽く男女逆転で見せてくれる本作のスタイルが一貫して描かれていた。それでも山本が弱々しく頼りなく見えてしまうこともなく、反対に穂香が強くたくましいだけに見えてしまわないのは、やはり高杉と波瑠それぞれが持つ空気感が上手く噛み合っているからだろう。2人ともに固定概念を軽々しく飛び越えていけるようなニュートラルさを真ん中に据えている。

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