ペ・ドゥナが労働問題を追及する チョン・ジュリ監督『あしたの少女』8月25日公開へ

チョン・ジュリ監督『あしたの少女』公開決定

 『私の少女』のチョン・ジュリ監督による新作映画『Next Sohee(英題)』が、『あしたの少女』の邦題で8月25日に公開されることが決定した。

 本作は、2022年、韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭の批評家週間の閉幕作品として選ばれ、第23回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞したほか、多数の国際映画祭で受賞を果たした。

 舞台は現代の韓国。高校生のソヒは、担任教師から大手通信会社の下請けのコールセンター運営会社を紹介され、実習生として働き始める。しかし、会社は顧客の解約を阻止するために従業員同士の競争をあおり、契約書で保証された成果給も支払おうとしなかった。そんなある日、指導役の若い男性チーム長が自殺したことにショックを受けたソヒは、自らも孤立して神経をすり減らしていく。やがて凍てつく真冬の貯水池でソヒの遺体が発見され、捜査を担当する刑事ユジンは、彼女を自死へと追いやった会社の労働環境を調べ、いくつもの根深い問題をはらんだ真実に迫っていくのだった。

 2017年に韓国で実際に起こった事件をモチーフにした本作は、2部構成となっており、ソヒが実習生としてコールセンターで働く前半のパートは、物語のベースになった実際の事件を忠実に再現。もう一人の主人公、刑事ユジンが登場する後半はチョン監督の創作で、韓国の労働問題を追及してきたジャーナリストらに触発され、ユジンのキャラクターを構築したという。

 事件の真相究明に執念を燃やすユジンに扮するのは、是枝裕和監督作『ベイビー・ブローカー』にも出演したペ・ドゥナ。前作『私の少女』でタッグを組んだチョン・ジュリ監督は、当初からペ・ドゥナの起用を想定して脚本を執筆。また、ソヒ役はキム・シウンが演じた。

 あわせて公開されたポスタービジュアルは、輪郭がはっきりせず、その表情も視線もはっきりとしないユジンの姿と、その奥で、まっすぐこちらを見つめる主人公ソヒの憂いある眼差しが捉えれている。その横には、「あなたの見えない眼差しを私は見ている。」というキャッチコピーが添えられた。

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■公開情報
『あしたの少女』
8月25日(金)より、シネマート新宿ほか全国公開
監督・脚本:チョン・ジュリ
出演:ペ・ドゥナ、キム・シウン、チョン・フェリン、カン・ヒョンオ、パク・ウヨン、チョン・スハ、シム・ヒソプ、チェ・ヒジン
配給:ライツキューブ 
2022/韓国/5.1ch/138分/DCP 
©2023 TWINPLUS PARTNERS INC. & CRANKUP FILM ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:https://ashitanoshojo.com/

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