チャン・ヒョク×チャン・ナラが9年ぶり共演 『シークレット・ファミリー』の意外な展開

『シークレット・ファミリー』の意外な展開

 主演のチャン・ヒョクとチャン・ナラは、4回目の共演とあり、息のあった演技はもちろんのこと、『運命のように君を愛してる』を彷彿させるセリフや、髪形、話し方など、ゴンとミヨンのその後のようにも見える嬉しいシーンもある。『運命のように君を愛してる』のケットンではないが、本作でも、ミリムのお腹の子供に胎名をつけて話しかける場面は、微笑ましい。

 チャン・ヒョクもチャン・ナラも、数々の大ヒット作品がある人気ベテラン俳優で、多くの視聴者が作品を楽しみにしている“安心して観られる俳優”たちだ。本作で、2人の共演する姿が久しぶりに観られるのを楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。

 物語は、第8話まで配信中で、ドフン&ユラ夫婦のことも気になるが、ユラと過去に関係のあったチョ・テグ(キム・ナムヒ)にも触れておきたい。ユラの過去が明かされる中で、テグとユラが育った境遇には、同情を禁じ得ない。テグは、過去も今も、ユラに真心で接しようとするも、ユラから冷酷非情な攻撃を受ける。先制攻撃するのは、常にユラだ。ユラのもとに表れたテグが、一家とともに過ごす「ホームドラマ展開」では、キムチづくりに精を出す姿が、なんともユーモラスで思わず声を出して笑ってしまった。幼いミソンがテグに懐き、テグがミソンを大切に思うシーンに、テグにもユラのように温かく暮らせる場所があってほしいと願ってしまう。

 本作で、テグを演じるキム・ナムヒは、『財閥家の末息子』でも、サイコパス気質の財閥3世を演じていたが、悲哀を包括した歪んだキャラクターを演じるのが抜群に上手い。悲しみを宿した目が渇きを癒やすように愛を求め、その声色までが悲しさを帯びる。心優しき臆病な小心者が、無理して自分じゃない者になろうとし、虚勢で泣きそうになりながら、震えるような声で話しているのだ。テグとドフン一家の触れ合いは、テグに元々サイコパスの気質があったとしても、環境が変われば違ったのではないかと思わせる。ドフン一家だけでなく、テグも、そして同じように悲しい生い立ちのオ部長も含めて、大団円の展開を見せてくれることを願ってしまう。本作は、コメディもサスペンスもアクションも包括した、「家族」の物語を楽しめる作品だ。

■配信情報
『シークレット・ファミリー』
ディズニープラス スターにて、独占配信中
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