仲里依紗、『TOKYO MER』では“王道”の芝居で魅了 オファーが絶えない変幻自在の演技力

仲里依紗へのオファーが絶えない理由

 4月11日に行われた劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の完成披露試写会で、「やっと子供に見せられる作品に出られました」と発言し会場を沸かせた女優の仲里依紗。そこからさかのぼること1カ月前、大反響を呼んだNHKドラマ10で放送されていた『大奥』のファンミーティングでも、徳川5代将軍・綱吉を演じたことについて、「仲里依紗が将軍なんてできるのかよ~って思っていたでしょ? 私もそう思っていたんだから」とぶっちゃけトークを展開し、大いにイベントを盛り上げていた。明るくて自由奔放、無邪気なイメージの仲だが、映画やドラマで見せる芝居は変幻自在だ。

【上映後サプライズあり】劇場版『TOKYO MER』完成披露試写会

 2021年7月期のTBS日曜劇場で放送された『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。仲は「一人の死者も出さない」という使命を掲げる救命医療のスペシャリストチーム「TOKYO MER」でチーフドクターを務める喜多見幸太(鈴木亮平)の元妻で、自身も世界的に名高い心臓・血管のスペシャリストのドクター・高輪千晶を演じた。

 劇場版では、一度離婚した喜多見と復縁し、妻として登場。千晶のお腹には、喜多見との間に新しい命が宿り、相変わらずワーカーホリック気味の喜多見にあきれつつも、幸せいっぱいという設定だ。しかし、公私ともに親しくしているTOKYO MERの看護師・蔵前夏梅(菜々緒)とランチをしながら喜多見への愚痴をこぼすなか、大惨事に巻き込まれて絶体絶命の状態に追い込まれてしまう。

 前述したように、仲はイベントで「やっと子供に見せられる」と笑いながら語っていたが、千晶は劇中、患者を救うために自らの命をなげうって出る医師の妻として、また自身も命を救う医師として、さらに新たな命を授かった女性として、さまざまな葛藤を抱えながら、惨事に向き合う人物を、圧倒的に演じており、彼女の行動は大きな作品の見どころになっている。

 一方で仲は、イベントで「これまでは危ない役どころが多かった。結構ハレンチな役もやっていて」と冗談ぽく自身のキャリアを述べていた。この言葉通り、映画やドラマで仲が演じてきたキャラクターのふり幅は大きく、キャリアを重ねるごとに、さらにその傾向は強くなっていった。仲が演じるキャラクターは自然と「なにかやらかすのでは……」といい意味でワクワクさせられる。

 女優として活動を始めて間もないころに出演した長瀬智也主演のドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ系)。関東鋭牙会の若頭であった27歳の真喜男(長瀬智也)が、ひょんなことから通うことになったセント・アグネス学園の生徒の一人千葉茜を演じた仲。生徒には新垣結衣や、手越祐也、若葉竜也、村川絵梨、ホラン千秋らもいたが、仲は真面目で正義感が強いが、キレやすく胸グラを掴んで怒るという個性的なキャラクターで存在感を示していた。

 映画『ガチ☆ボーイ』では、佐藤隆太演じる学生プロレスラー五十嵐良一の妹役の茜を演じ、兄の身体を心配しながら、父子家庭のなか、母親役もこなすしっかり者の高校生を可憐に演じ、爽やかな佇まいを見せた。

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