『らんまん』宮野真守が神木隆之介の心に火を灯す? 俳優業でも発揮される柔軟性

『らんまん』宮野真守が“当たり前”を覆す

 音楽バラエティ番組『おげんさんといっしょ』(NHK総合)でも頭にバンダナ、デニムのシャツにデニムのショートパンツというスタイルで売り出し中のアイドル・雅マモルに扮する宮野はコメディセンスの塊。しかし、ドラマにおいて彼はただ笑わせどころを担っているわけではない。2022年7月期のドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)では中村倫也演じる羽男の元同僚で、お互い弁護士として幾度となく対峙する丹澤を演じた宮野。その自信家で人を見下した態度から普段の愛されキャラっぷりは一切感じられず、見る人をイラつかせた。

 続く『君の花になる』(TBS系)で演じたアイドルグループ・8LOOMのマネージャー・添木ケンジ役も当初はあまり担当するアーティストたちへの愛情を感じられなかった。しかし、8LOOMが成長していくとともに彼の仕事ぶりにも少しずつ熱が入っていくようになる。元々、添木もアイドルを目指していたという設定も効いており、グループを脱退したメンバーに「大丈夫、その痛みはだんだん薄くなるから。完全には消えないけどな」と自身の経験から言葉をかけるシーンが涙を誘った。

宮野真守דくせ強”キャラの組み合わせは最強! 『君の花になる』ケンジ役でも愛嬌を放出

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 また、ケンジと梶裕貴演じる恋人とのやりとりに茶化した感じがなかったのも印象的だ。同作を手がけた吉田恵里香はあくまでも自然に性的マイノリティのキャラクターを自身の作品に登場させる脚本家。だから宮野も大げさではなくナチュラルに同性である恋人への愛情を表現していた。『女神の教室』でも北川景子演じる主人公の柊木や、佐藤仁美演じる安藤とロースクールで出会った検察官の横溝役で年齢や性別を超えた友情を体現していたように、宮野が持つ柔軟性は芝居を通して、私たちの“当たり前”を覆してくれる。今回、『らんまん』で演じる早川も夢を諦めてしまった万太郎の胸に再び自由という炎を宿してくれることだろう。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00~8:15、(再放送)12:45~13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30~7:45、(再放送)11:00 ~11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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