『らんまん』宮野真守が神木隆之介の心に火を灯す? 俳優業でも発揮される柔軟性

『らんまん』宮野真守が“当たり前”を覆す

 自分は峰屋の看板と従業員の生活を守っていかなければならないーー。皮肉にも憧れの東京で、当主としての自覚を取り戻した万太郎(神木隆之介)。複雑な思いを抱えたまま高知に戻ってきた万太郎は、とある人物に出会う。その人物とは、『らんまん』(NHK総合)第4週より登場となる、宮野真守演じる早川逸馬だ。

 明治維新を牽引した薩長土肥(薩摩・長州・土佐・肥前)出身の有力者たちが実権を握る専制政治を批判し、国民が政治に参加する権利を求めた自由民権運動。早川は全国各地で盛り上がりを見せていたこの運動を高知で広めていく人物として描かれる。力のある演説で聴衆の心を鷲掴みにする早川は、その唯一無二の声とユーモア溢れるトーク力、さらに圧倒的なカリスマ性で多くの人を魅了してきた宮野にぴったりの役柄といえるだろう。

『鬼滅の刃』童磨役で宮野真守の真価が発揮される 二面性のある“狂キャラ”で光る持ち味

大ヒットアニメ『鬼滅の刃』のTVシリーズ第3期の放送に先駆けて、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が…

 さて、2023年が幕を開けてからもうすぐ5カ月。この間に、きっと誰もが宮野に関するニュースをいくつも見聞きしたはずだ。1月にはバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)内の人気コーナー「ゴチになります」の新メンバーに抜擢されたことが話題に。また、宮野が役者として出演するドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)の放送もスタート。そんな中、TVアニメ『鬼滅の刃』第3期の放送に先駆けて『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が公開され、上弦の弐・童磨に声を当てた宮野の、表面的な優しさに内なる狂気と軽薄さを滲ませる絶妙な演技が改めて注目を集めた。さらに自身のニューシングル「Quiet explosion」の先行配信もスタートするなど、声優、アーティスト、俳優、タレントと幅広く活躍する宮野は話題に事欠かない人物である。

 どの分野でも自分が求められたものに全力で応え、実力を発揮する宮野に特定の肩書きを添えるのは非常に難しい。そんな彼の柔軟性の高さは、近年特に目覚ましい活躍を見せている俳優業でも大いに生かされてきた。実は本作の主演を務める神木と同様、子役からキャリアをスタートさせた宮野。あの『3年B組金八先生』(TBS系)シリーズのスペシャルで生徒役を務めたことのある宮野が10年ぶりにテレビドラマに出演することで話題となったのが、2018年放送の『ゆうべはお楽しみでしたね』(MBS/TBS)だ。視聴者にとって、アニメイトの店長・大仁田を演じる宮野の顔芸、アドリブ満載の演技が毎週の楽しみになっていた。

宮野真守、梶裕貴ら声優陣のドラマでの活躍相次ぐ ネットとの親和性の高さも起用の要因に?

声優の宮野真守がTBS日曜劇場『半沢直樹』に、金融庁の黒崎(片岡愛之助)の部下・古谷役で出演。黒崎に急所を掴まれるシーンが反響を…

 それがきっかけかはわからないが、濃厚なキャスト陣の顔芸も一つの見どころとなっているドラマ『半沢直樹』(TBS系)にも2020年放送のシーズン2から参戦。宮野が演じる古谷は、片岡愛之助扮する金融庁の証券取引等監視委員会統括検査官・黒崎の部下で、金融庁検査で主人公・半沢(堺雅人)が勤める東京中央銀行を訪れる初登場シーンから威圧感たっぷり。黒崎チルドレンとして半沢を追い詰めた。だが、黒崎の部下として逃れられないのが“急所づかみ”。古谷もまた第8話で、半沢との会話に口を挟んだとして黒崎に急所を鷲掴みにされてしまう。一瞬の出来事ではあったが、見事なリアクションでお茶の間を笑いに包んだ。

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