『らんまん』神木隆之介が体現したカリスマ性 『舞いあがれ!』空先輩の新名基浩が寛太に

『らんまん』神木隆之介のカリスマ性

 そうとは知らない万太郎はどうしてもその花の正体を突き止めるべく、親友の寛太(新名基浩)に町医者である父親のツテで新しい植物の本を手に入れてほしいと頼み込む。ちなみに寛太を演じる新名は『舞いあがれ!』から2作連続で朝ドラに出演。同作で演じた寡黙な空先輩とは正反対に寛太はおしゃべりで、人が言いにくいこともズバズバ言う傾向にある。一人で草花の研究に勤しむ万太郎を友達はいないのかと心配するも、野田基善と里中芳生という憧れの植物学者の名前を挙げ、“心の友”と称する万太郎に「心の友ゆうがはおらんがとおんなじゃ」と容赦無く指摘する寛太。

 しかしながら、そんな万太郎に心の友と実際に出会うチャンスが訪れる。文部省博物局所属の野田と里中がいる東京で内国勧業博覧会が開催されることになり、その清酒部門に峰屋の酒を出品しないかと誘いが来たのだ。元々は深尾家への献上品だった峰屋の酒を誰かが品定めをするのは品がないとタキは出品を渋るも、それを万太郎が理路整然と説得する。もちろん、万太郎は博覧会など興味がなく、ただ東京に行きたいだけ。だが、本当の目的を完璧に隠してしまえる万太郎の頭の回転の速さや、人を妙に納得させるカリスマ性が垣間見える。自分の心に正直な純粋さとのギャップ。それをたった数分で神木は体現し、視聴者を虜にしてみせた。

芸歴27年のベテラン・神木隆之介が放つ光と闇 『らんまん』万太郎の変化をどう演じる?

朝ドラ『らんまん』(NHK総合)第3週より、子役の森優理斗、小林優仁から引き継ぎ、ついに主演の神木隆之介が本格登場する。酒蔵「峰…

 一方、綾を演じる佐久間と竹雄を演じる志尊に関しては抑えた演技が光る。本当は酒造りに自ら携わりたいのに女性であるがゆえに蔵にすら近づけない綾と、そんな彼女に惹かれながらも番頭の息子という立場上、思いを伝えることができない竹雄。聞き分けがよく、自分の気持ちを必死で押し殺そうとする二人の姿が切ない。そこに現れた蔵人の幸吉(笠松将)。大人になっても天真らんまんな万太郎をよそに展開する、彼らのビターな予感がする恋愛模様も気になるところだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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