山田裕貴が歩む“主人公”の道 エキストラなどの下積み時代から大河、月9、映画の中心に
連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合)でも、山田の細やかな演技が度々話題になった。山田が演じたのは、ヒロインの姉・良子(川口春奈)の夫となる教師の博夫。沖縄の封建的な家庭で育った博夫はちょっと頼りないところもあり、よく視聴者をやきもきさせた。そんな時、決まって山田が自身のSNSで博夫の気持ちに寄り添う投稿をしていたのが印象的だ。
それを見て、この人は博夫を“演じている”のではなく、台本には書かれていない博夫の人生を想像し、“生きている”のだと思った。だからこそ、涼子の妹である歌子(上白石萌歌)が幼なじみの智(前田公輝)からプロポースを受けている時、祈るように手を合わせながら二人を見守る博夫に切実な思いを感じられるし、最終回間際、寝ぼけてメガネを探す姿に積み重ねてきた年月を思わせる。
石川ぁぁぁぁぁぁ博夫ぉぉぉです‼️‼️‼️#ちむどんどん @asadora_nhk pic.twitter.com/B8IIR9K7xl
— 山田裕貴 (@00_yuki_Y) August 17, 2022
ドラマ『ホームルーム』(MBS)で特定の女生徒に歪んだ愛情を向けるストーカー教師の“ラブリン”こと、愛田を演じた時でさえ、彼を理解不能な狂人ではなく、母親から虐待を受け、正しい愛情表現を知らずに育った悲しい人として真摯に向き合っていた。映画『東京リベンジャーズ』では暴走族・東京卍會の頼れる副隊長、先月最終回を迎えたドラマ『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)では人間らしい感情を持たないロースクールの教師と、設定だけなら身近に感じられないキャラクターをもしっかり自分のものにして観客に届ける。だからこそ、山田が演じる役はどれも最終的に多くの人から愛されるのだろう。
『#ホームルーム』
"愛"の物語
無償の愛は最強だと思います
欲しがったり、当たり前に貰えるものだと
思うと
間違えてしまうことが
あるのかもしれませんね#TVer でも1位取ることが出来て
嬉しかった
作品への愛が取らせたモノかも(笑)@homeroom_drama pic.twitter.com/YPT8nFgMoX— 山田裕貴 (@00_yuki_Y) April 4, 2020
その一切妥協のない山田の仕事ぶりが今年に入り、やはり“ようやく”報われようとしている。1月からは『女神の教室』に加え、NHK大河ドラマ『どうする家康』に戦国最強と謳われる本多忠勝役で出演。さらに主人公に声をあてたアニメ映画『BLUE GIANT』が2月17日に公開されてから現在までロングヒットを続けている。そして、『アンナチュラル』や『最愛』といった数々の人気ドラマを生み出してきたTBSの金曜ドラマ『ペンディングトレイン』の主演という大役への抜擢。現在、山田は32歳。遅咲きといえば遅咲きだ。そんな山田は自分のことを「全く主人公っぽくない」(※)と語る。しかし、後悔を反省に生かし、どんなに苦しくとも夢を手放さず、地道に俳優としてのキャリアを積み上げて、とうとう現在の地位に上り詰めた山田は十分主人公っぽい。そんな山田だからこそ、他のドラマとは一味違う趣深い主人公を作り上げることができるのではないだろうか。
『ペンディングトレイン』で山田が演じるのは、メディアでも大活躍のカリスマ美容師・萱島直哉。コミュニケーション能力は高いが、イマイチ何を考えているかわからない危険な色気を持った人物だという。そんな萱島が極限下に放り出された瞬間に見せるであろう本性を山田がどんなふうに表現するのか、今から楽しみだ。
参考
https://news.1242.com/article/421108
■放送情報
金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』
TBS系にて、4月21日(金)スタート 毎週金曜22:00~22:54放送
※初回は15分拡大
出演:山田裕貴、赤楚衛二、上白石萌歌、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、日向亘、片岡凜、池田優斗、宮崎秋人、村田秀亮(とろサーモン)、大西礼芳、山口紗弥加、杉本哲太、松雪泰子
脚本:金子ありさ
演出:田中健太、岡本伸吾、加藤尚樹
プロデューサー:宮﨑真佐子、丸山いづみ
編成:吉藤芽衣、平岡紗哉
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/p_train823_tbs/
公式Twitter:@p_train823_tbs
公式Instagram:p_train823_tbs