『君と世界が終わる日に』運命はどう交錯していく? 現代で切実に響く、竹内涼真の問い
『きみセカ』は一見するとゾンビアクションだが、中身はとても濃い人間ドラマである。Season4がこれまでと違うのは「君」も「世界」もすでに終わってしまっていること。終末世界で最愛の人と別れて、生きる意味があるのかという問いは、生存が脅かされる現代で切実に響く。そんな時、目の前に登場するユートピアは、名前どおり甘美で悪魔的な響きをもって迫ってくる。探し求めたユートピアは新山財団が手がける開発都市で、限られたものだけが入ることを許される。ここでも生き残りをかけて、壮絶なサバイバルが繰り広げられる。
明日葉が現れたことで、響はかつての等々力(笠松将)のように集団のために憎まれ役を引き受ける存在となった。シーズンを経ることで印象が変わったキャラクターに佳奈恵(飯豊まりえ)がいる。Season3で響と別れた佳奈恵は明日葉たちと合流し、Season4では囚人の海斗(前田公輝)や伊織(桜井日奈子)と行動をともにする。大学生だった佳奈恵はゴーレムと戦い、多くの涙と別れを経験する中で強くならざるを得なかった。この世界で生きることの過酷さを体現しているのが佳奈恵なのだ。
ヒロイン属性を備えた明日葉、戦友と呼べる佳奈恵と響の運命はどのように交錯するのか。ゾンビサバイバルが最終的に行き着くのが、誰かを犠牲にせずに生きられない世界なら、それは悲劇そのものだ。ますます混迷の度を深める『きみセカ』で、響はミライと再会できるのか。『きみセカ』が描く終わりのその先の未来を見届けてほしい。
■配信情報
Huluオリジナル『君と世界が終わる日に』Season4
Huluにて独占配信中
出演:竹内涼真、玉城ティナ、飯豊まりえ、前田公輝、桜井日奈子、溝端淳平
シリーズ構成:丑尾健太郎
脚本:丑尾健太郎、神田優、佃良太、小島剛人
音楽:Slavomir Kowalewski、A-bee、會田茂一、ノグチリョウ
制作:田中宏史、長澤一史
チーフプロデューサー:三上絵里子、茶ノ前香
プロデューサー:鈴木亜希乃、高橋浩史、伊藤裕史、白石香織
演出:菅原伸太郎、保母海里風、山田信義
制作協力:日テレアックスオン
制作プロダクション:日本テレビ
製作著作:HJホールディングス
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/kimiseka/