『君と世界が終わる日に』運命はどう交錯していく? 現代で切実に響く、竹内涼真の問い

『きみセカ』現代で切実に響く竹内涼真の問い

 戦いの果てに目にしたのは地上の楽園か、それとも……。Huluオリジナル『君と世界が終わる日に』Season4の最終話となる第5話が4月16日に配信される。襲いくるゴーレムの脅威におびえながらユートピアを目指す響(竹内涼真)たちは、ついに楽園の入口にたどりついた。

 『君と世界が終わる日に』(以下、『きみセカ』)は、過去シーズンで容赦なく鬼畜な展開をぶち込んできた。これまでも、恋人を矢で射貫く、変わり果てた母親との再会、腕を切り落とす、生首、主要キャストの退場を目にしてきたが、Season4は一味違うインパクトがあった。過去最高に混沌としたSeason4でショッキングだったのは、響のダークヒーロー化だ。第2話ラストで突然、明日葉(玉城ティナ)を裏切り、囚人側に寝返った時は本当に人が変わってしまったのかと驚いた。

「気が狂いそうなんだよ。来美を失って子どもも奪われて、生きる希望なんて何もない。愛する人のいない世界なんて、何度も死にたいと思った」

 第3話での響のセリフだ。響の変化は来美(中条あやみ)を失い、生まれたばかりの赤ん坊ミライを連れ去られたことが原因だった。響が人間不信に陥るのも無理はない。たった1人で、ミライを探して荒野をさまよってきたのだから。ゴーレムに支配された世界で真に恐れるべきは人間であり、Season4は必然的に人間同士のいさかいが中心となった。「俺に仲間なんていない」「人は必ず裏切る」と吐き捨てる響は、魂まで闇に染まってしまったかのように見えた。

 響は周囲に信頼され、慕われるがゆえに人に言えない苦しさを背負ってきた。自らを犠牲にして仲間のために体を張ってきたが、Season4で響に代わってその役割を引き受けているのが明日葉だ。新山財団会長の娘である明日葉は「汝の隣人(となりびと)を愛せよ」という言葉を信条とし、人々を救おうとする。自分を裏切った響を許せないと言いながらも、「あなたは誰かのために生きようとしてる。私も人を救うことを諦めたくない」と寄り添う。「生きて」と語りかける明日葉は本作の根幹にあるメッセージを体現するキャラクターで、来美がいなくなったSeason4で新たなヒロインの役割を担うことになった。

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