『女神の教室』山田裕貴が体現した藍井の変化 学生たちは柊木の問いにどう答える?

『女神の教室』山田裕貴が体現した藍井の変化

 真中と同じく優等生で、周囲に対してもドライで刺々しさがあり、自身も凝り固まった正義感に縛られているように見える照井役を演じた南沙良は、『ドラゴン桜』第2シリーズ(TBS系)では東大専科の菜緒役で正反対の役どころを好演していた。親に愛され何不自由なく育ったイマドキ女子高生の菜緒は、明るく素直で東大専科の中では挫折の経験もなければ、特段自分にコンプレックスも抱いていない唯一の存在だっただろう。そんな現状に不満のない菜緒が東大受験にやりがいを見出し自分の可能性に懸けたいと思うようになる変化を自然に見せてくれ、最後の彼女らしい進路選択も含めクラスの中でも“問題児ではない”という異質な存在を演じ切っていた。

 そして、『ドラゴン桜』でいうところの菜緒のようなキャラクターを本作で演じる桐矢(前田旺志郎)と照井の触れ合いが双方に新たな気づきをもたらし、相手のことだけでなく自分のことも認められるようになる、そんな2人の掛け合いも眩しかった。

 同じように自身の家庭環境からも“持たざる者”を弁護する側になりたいと純度高く志願する水沢(前田拳太郎)と、著名なビジネスロイヤーである父親に予め決められたレールを走らされてきた天野 (河村花)がそれぞれ一見したところ正反対の立場ながら互いの痛みを知り寄り添おうとする姿が印象的で、物事は一義的ではないということを際立たせていた。

 どんどん結束力を強めた彼ら5人が話していた通り、「法廷でみんなで集まれたらいいな」という夢は叶うのだろうか。検事の仕事を照井から任された桐矢は司法試験を無事突破できるのか。一足先に法曹界に歩みを進めた4人も含め彼らは柊木からの「真の意味で求められる法律家の姿とは、どのようなものだと思いますか?」という問いかけに、どのような自分なりの解を見つけるのだろうか。

 そして青南ロー存続のため柊木と藍井はどのように手を取り合うのだろうか。今こそ、テミスの持つ剣と秤それぞれの存在意義を最大限発揮する時だろう。

■放送情報
『女神の教室~リーガル青春白書~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:北川景子、山田裕貴、南沙良、高橋文哉、前田旺志郎、前田拳太郎、河村花、佐藤仁美、宮野真守、小堺一機、尾上松也、及川光博
脚本:大北はるか、神田優
プロデュース:野田悠介
演出:澤田鎌作、谷村政樹
音楽:武部聡志
主題歌:Vaundy「まぶた」(SDR)
法律監修:水野智幸(法政大学大学院法務研究科)
制作・著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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