『女神の教室』ロー生たちが導き出した法に対する答え 対照的な柊木と藍井に共通する想い

『女神の教室』ロー生たちの法に対する答え

 藍井(山田裕貴)が、塾講師の松下(渡部秀)に夜道で襲いかかった風見(尾上松也)を止めようとして刺されてしまう。なんとか一命を取り留めたものの意識が戻らない。その出来事にショックを受ける柊木(北川景子)は、藍井の研究室でとある資料を見つけ、“クロウ”こと津山(安井順平)が最後に投稿した病院の写真と、その病院に風見の妹が入院していることから、「津山の死は自殺ではないのかもしれない」と疑念を抱くようになる。しかし柊木からの問いかけにも、風見は黙秘を貫き通すのである。 

 3月13日に放送された『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)第10話。風見の一件を知った真中(高橋文哉)や照井(南沙良)たち実務演習クラスの5人は、期末試験が近付いているにもかかわらず、自発的に調査を始める。その過程で出会ったのは、風見が松下の罪を暴くために協力してくれたものの、被害者となってしまった女子高生。彼女に対して、親身になって話を聞く照井がかける「あなたは何も悪くない」という言葉は、第5話で照井が柊木からもらった言葉と同じだ。

 風見の自白を引き出すために、柊木と共に検察庁に出向く5人。はたしてロー生という立場で起訴前の被疑者に接見することが許されるのか、はたまた風見の妹のいる病院で情報を聞き出すことが可能なのかという点、そして思いのほかあっさりと覆る風見の姿勢には少々の疑問を抱かずにはいられないのだが、あくまでもこれは、警察として司法に関わってきた者と、いまこれから法曹界に足を踏み入れ司法に関わろうとする者たちとの対話/対峙に他ならない。

 「法で人は守れない」と現状に訴える風見に対して、5人はそれぞれ「どんな理由があろうと人を裁くのは司法であるべき」「被害者を守るためなら犯罪者を罰するだけではないアプローチもある」「法という武器を使って正しく罰する方法を見つけていきたい」と、法の本来あるべき姿と、その取り扱い方によって現状を変えることができることを説く。ここでもまた、柊木からの教えを受けた彼らが思い描く理想と、それを貫こうとする強い信念があらわれているといえよう。つまるところ、これが彼らの成長した姿。すなわち集大成というわけだ。

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