広瀬すず×杉咲花×清原果耶『片思い世界』はどんな物語に? 坂元裕二の過去作から予想

坂元裕二脚本『片思い世界』はどんな物語に?

 そして個人的な希望なのだが、『片思い世界』は『花束みたいな恋をした』の間接的続編になるのではないかと期待している。

 『花束みたいな恋をした』の終盤に登場した清原果耶が演じた女性には、羽田凛という名前があり、水埜亘(細田佳央太)という男性と付き合い始めることが予感されていた。

 2021年のコロナ禍の渦中に劇場公開された『花束みたいな恋をした』は、2015年に出会った八谷絹(有村架純)と山音麦(菅田将暉)が2019年に別れるまでを描いた恋愛映画だった。

坂元裕二が描き続ける恋と愛の狭間 『花束みたいな恋をした』が突き付ける世知辛い現実

麦「分けちゃダメなんだって、恋愛は」 絹「恋愛はひとりに一個ずつ」  菅田将暉演じる麦と、有村架純演じる絹は冒頭の場面におい…

 2人の恋模様の背後にその時代のカルチャーや日本の世相が見え隠れするため、20代の若者がコロナ禍以前の近過去(2010年代後半)を懐しむことができる映画となっていたことが、本作の隠れた魅力だったと言える。

 羽田と水埜が2019年に付き合い始めたのだとしたら、2人はコロナ禍を共に過ごしたことになる。3月13日以降、マスクの着用が「個人の判断」に任されるようになり、コロナ禍をめぐる状況が大きく変わりつつある。

 だからこそ『花束みたいな恋をした』と同じ手法で、20代前半の若者を主人公にした恋愛映画を撮れば、2020~23年という時代の貴重な記録と成り得るのではないかと思う。

 情報がほとんどない時点での筆者の期待でしかないが、期待が膨らむだけのポテンシャルが、本作の座組にはあることだけは間違えないだろう。2024年の公開が楽しみである。

■公開情報
『片思い世界』
2024年全国公開
主演:広瀬すず、杉咲花、清原果耶
脚本:坂元裕二
監督:土井裕泰
製作幹事: TBSスパークル、リトルモア
製作プロダクション:リトルモア、フィルムメイカーズ
配給:東京テアトル、リトルモア
©︎2024『片思い世界』製作委員会
公式サイトkataomoisekai.jp
公式Twitter @kataomoi_sekai

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