『舞いあがれ!』高畑淳子と永作博美の感情ほとばしる名演 川口春奈が島の未来を担う

『舞いあがれ!』高畑淳子と永作博美の名演

 祥子(高畑淳子)が退院した。舞(福原遥)たちに迎えられ、ひさびさの自宅でくつろいだ表情を見せる。

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第115話で自宅に戻った祥子だったが、以前と同じように生活することは難しかった。体が動かないため船に乗れず、畑仕事もできない。「こん先や、できんことばっかり増えていくとさ」とうつむく祥子に、舞は「ばんばにしかでけへんことがいっぱいあんねん」と励ました。幼い頃、病弱だった舞にかけた言葉を、今度は舞が祥子に贈った。

 仏壇の前で母と娘が向き合う。「母ちゃん、大阪来んね。私は母ちゃんと一緒に住みたか」。祥子はめぐみ(永作博美)の誘いを断ってきた。めぐみは祥子を心配しているが、工場のある東大阪を離れるわけにいかない。祥子にしても、多少の不自由を我慢しても、住み慣れた五島で地域の人々と暮らすほうが安心だ。別々の場所で生きることを選んだ親子は、これからも離れたところで互いの人生を生きると思われた。

 めぐみは話を続ける。その言葉は祥子にとって意外なものだった。「IWAKURAの社長ば、辞めようと思っちょる」とめぐみ。一緒に暮らして面倒を見るというのだ。戸惑う祥子に、めぐみは「引き継ぎが終わったら現場ば離れるけん。そん時に母ちゃんがやっぱり戻りたかっち思ったら、一緒に五島に戻ろうで」と言って微笑んだ。

 突然のことに祥子は戸惑うが、めぐみの思いは届いていた。

「母ちゃんと一緒に暮らしたか」

 目に涙をためて訴えるめぐみに、祥子も熱いものがこみ上げる。沈黙を経て顔を上げた祥子は、決意のこもった眼差しで大阪に行くと告げた。

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