『ハマ蹴り』平行線をたどる紘一といつかの関係性　SixTONES 京本大我の新たな魅力も

　大好きな人からベッドの上でキスをされたのに、「こういうことは、あんたがちゃんと気持ちに整理をつけて、俺のことを好きになってからだ」と堪えた紘一（藤ヶ谷太輔）。『ハマる男に蹴りたい女』（テレビ朝日系）第9話。どんどん彼の株が上がりつつある。

　そもそも、いつか（関水渚）はなぜここまできて素直になれないのだろう。押し倒したり、キスをしたり。積極的なアクションは起こせるのに、“好き”と伝えることはできない。やはり、過去のトラウマを引きずっているのだろうか。

　そんないつかに発破をかけたのが、同期の香取（京本大我）だ。

「西島は、自分のこと守ってんだ。傷つきたくなくて。だから西島は、設楽さんを好きになりたくない」

　いつもは朗らかな彼が、ちょっぴり突き放した感じで痛いところを突いてくるものだから、ドキッとした人も多いのではないだろうか。

　恋は惜しくも散ってしまったが、香取はいつかだけでなく、視聴者の心をも癒してくれる存在だった。最初は、勝手に紘一をライバル視するヤバい奴だと思っていたけれど、だんだんとその姿が愛おしく見えてくるように。“子犬系男子”こと香取は、演じている京本の存在感が存分に生かされている役柄だ。

　本作で改めて気付かされたのが、京本は憂いのある表情がハマるということ。ただ、どちらかというと“本命顔”な京本は、『束の間の一花』（日本テレビ）で演じた萬木のように、ヒロインと恋をするなかで生じる迷いに向き合うことはあっても、“当て馬”がここまで似合うとは思っていなかった。

　京本の新たな魅力を引き出したといっても過言ではない『ハマ蹴り』。さらに、スピンオフドドラマ『ホメる男に知りたい女』（TELASAで配信中）では、銀星荘の住人・すず（久保田紗友）から思われる姿も見せている。

　思い、思われ、振り、振られ。これまでは映像作品に出演する機会が少なかった京本が、本作で増やした恋の引き出しを生かし、ラブストーリーで活躍する姿が見られるのが楽しみだ。