小澤征悦が“いい人”だけで終わるはずがない? 『罠の戦争』鷹野は鷲津の敵となるのか
鷲津(草彅剛)が追いかけていた事件の黒幕が鴨井(片平なぎさ)だと分かり、それぞれが裏の顔を見せ始めた『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)。だが、そのなかで1人だけ、なかなか本音が見えない人物がいる。鶴巻派の衆議院議員で、鷲津の古くからの友人でもある鷹野(小澤征悦)だ。
ちなみに私は、鷹野のことを本当の優しさを持った人だと思っていた。というより、今もまだ信じている。
そう思うようになったきっかけは、第3話。たくさんの議員が集まっているなか、鷲津が犬飼(本田博太郎)に「秘書として終わりだ」と酒をぶっかけられた時のこと。鶴巻(岸部一徳)が、「鷲津くん、ここはひとつ頭を下げてやりなさい」と言ったあと、誰もが黙り込んでいるにもかかわらず、鷹野だけはサッと立ち上がり、「出よう、な?」と鷲津に手を差し伸べたのだ。
どう考えても、ここで鷲津に寄り添うことがプラスに働くとは思えない。むしろ、鶴巻に睨まれてしまう可能性だってあった。それでも友人のためにアクションを起こした彼の勇気と優しさを、いまは信じたい。優しい人はたくさんいるけれど、自己犠牲をもいとわないほどの優しさを持つ人は、そういないのだから。
その一方で、小澤征悦が“いい人”だけで終わるはずがないと思ってしまう自分もいる。というのも小澤は、ドシっとした重鎮や、主人公の最大の敵など、“ラスボス感”のある役柄でこそ、より強い輝きを放つのだ。最近では、『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(読売テレビ・日本テレビ系)で、徳川家康のクローンを演じていたのが印象深い。
原作漫画を読んだ時、「このキャラは実写化できるのだろうか?」と思ったほど、恐ろしく描かれていた家康。そんな“最恐”の役柄を、小澤は体当たりで演じ切った。立っているだけで、周囲をビビらせてしまうたたずまい。ジトっとした声色。いま思い返しただけでもゾワっとしてしまうほどの恐ろしさを見せていた。